特別編・あとがき

 ――『夜行奇談』の宣伝のため、ウェブ版と書籍版の違いとかをカクヨム内で書いてほしい。

 ――可能であれば新作も。


 担当編集者であるRさんからの、この無茶振り……もとい、依頼に答えるべく、新たに怪談を追加で書かせていただきました。

 コンセプトは、「ウェブ版と書籍版の違いが分かる新作」です。はい、そのまま混ぜました。おかげで茶番感がすご……いや何でもありません。

 というわけで、改めて書籍版『夜行奇談』がウェブ版とどのように違うのか、ご説明いたします。


 その一。「得体」推しです。

 ウェブ版では最後の「厄落とし編」に入るまで「得体」を伏せていましたが、書籍版では作品コンセプトをはっきりさせるため、表紙のデザインからして「得体」全開です。

 ある意味で壮絶なネタバレとも言えます。しかしあまある怪談本の中で、いい感じに異彩を放っているのではないかと。


 その二。各エピソードごとに「得体」が載ります。

 ウェブ版では本編の後にまとめて解説するスタイルでしたが、いちいち読み返したりするのも面倒だと思ったので、エピソードごとに答えが分かるようにしました。

 しかも書籍版ならではの大きな変更点として、この「得体」は絵でばっちり示されます。『夜行奇談』に隠された怪異の正体――。その伝統的ビジュアルを、ぜひお楽しみ下さい。

 なお、一方で怪談の余韻を削がないように、「得体」の解説は省いています。


 その三。書き下ろしがあります。

 書籍版では三つのエピソードを、まるまる書き下ろしの新作に差し替えました。特に新生第五十話は、かなり正統派のホラーに仕上がったと自負しておりますので、ぜひともお読みいただきたく。

 また、「まえがき」と「あとがき」も書き下ろしです。一部、ウェブ版と矛盾することを書いていますが、そこはパラレルということでご容赦ください。


 というわけで――。

 書籍版『夜行奇談』は、2023年8月2日、KADOKAWAから発売です。

 ソフトカバーで、お値段は1800円+税。

 蒸し暑い夏の夜のおともに、ぜひともお買い求めいただければと思います。

 何卒よろしくお願い申し上げます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る