夜行奇談

東亮太

夜行奇談

はじめに

 思えば妖怪というものに興味を持ってから、いろいろな怪談を読み、いろいろな奇談を聞いてきた。

 それは作家になってからも同じで、仕事の傍ら、趣味で妖怪のことを追っているうちに、「だったら妖怪物で何か書きませんか」と編集者から言われるようになった。そこで勢い余って書いたのが、「ファンタジー世界に妖怪が現れる」というコメディだった。

 ところが世の中には、どうしても笑い話では済まされないような奇異な出来事が、案外あちこちに転がっているものだ。長年妖怪を追っていると、どうしても「その手の話」が引っかかってくる。

 そんなものがあまりにも多く溜まったので、一度文字に起こし、この場を借りて公開することにした。

 これから編ませてもらう怪異譚はどれも、僕の長年の妖怪趣味の中で、自然と集まってきたものばかりだ。もっとも、そのまま載せては差し障りもあろうと思い、人物名を伏せる等、多少手は加えることにした。そこはご了承願いたい。

 ここで語られる怪異の正体が何なのか――ということを、特に明言するつもりはない。そもそも、「この正体はコレコレコウイウモノなのだ」と実証のできないことを明言するわけにはいかない。だから、その辺りは読者のご想像にお任せしたい。

 ただ一つ断りを入れておくと――。

 これからしたためる怪異譚のすべてには、に基づいて、番号を振らせてもらうことにする。そしてその数字を、そのまま話数とさせていただく。

 したがって、執筆の順番と話数の並びが噛み合わないことも、多々起きると思う。おかげで目次が不自然になるだろうが、あくまで「怪異の内容と番号が密接に関係しているため」ということで、これまたご了承願いたい。

 もっとも、怪異と番号の関係そのものは、決して難しい暗号ではない。僕と同じような趣味嗜好のかたであれば、きっとすぐに答えが分かるはずだ。

 もし気づかれたなら――その時は、そっと口を噤んでおいてほしい。どうかよろしくお願いします。

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