大罪色の絶対強者(ゼッタイキョウシャ)√zero

ほたて丸

第1話



「おー!中々に旨いぞ!凄いなクレハは!」


彼はそう言ってまた目の前のカレーをバクバクと食らう。


その光景を見つめながら、クレハと呼ばれた女は嬉しそうに微笑みながら「はい、ありがとうございます!」とだけ言い、幸せそうに黙々とその彼を眺める。


そんな光景が暫く続いた後、近くにいた別の男が何かを見つけて叫ぶ。


「おーい、来たぞ!種類食料!数は……おっと、50はいる……かな?」


その声を聞いて、カレーを食べている男以外は腰を上げてその方向をみやる。



そちらを見ると、報告通り50体程のウマシカが此方に向かって駆けてきていた。


「へっ、楽勝……じゃ無さそうだな。流石にあの量は一度に相手し難い……。」


そうちょっと困ったような顔で一人はチラッと彼を見る。


その視線に気付き、フイッと彼はそっぽを向く。

しかし、ここで男は引き下がらない。


「あー、ウマシカってうまいらしいなー?あんなにあったら1ヶ月は食べられるなー?」


そう男は巧みに食べ物の話をして彼を釣ろうとする。


「なっ!?おい、仁也!早くぶっぱなせ!旨い肉が逃げるだろうが!」


…………彼より先に釣られた女がいたが、彼もピクッと耳を動かし反応した。


チャンス。


そう感じて男は更に追い討ちをかける。


「あー、今ならなんか俺あのウマシカでバーベキューの用意できるような気がするなー?」



その刹那ー


「乗ったあぁぁぁぁっ!!!」


彼、『琴宮仁也』は疾風の如く横にカレーを置いて駆けていた。


その目はギラギラと光り、完全に狩るものの目となっている。


そしてその調子のまま、仁也は何も無いところに手をかけて獲物を眼中に捕らえており、こう高らかに言った。


「応えろギルガメシュ!」


その瞬間、何も無い筈のところに一振りの宝剣が登場したー



__________________________________________________



一週間前の出来事だ。



気づくと、俺は何処かの神殿のような所に立ち尽くしていた……。


その光景に俺は呆然とする。


「え?」


その突然の事に唖然とさせられる。


何故、俺は此処にいるのか?そう思うのに時間はかからなかった。


周りを見渡すと、其処らには何と多くの生徒が自分と同じく戸惑っていた。


皆、やはり同様に驚いている。


「……この展開、まるでゲームみたいだな……?」



そうやたら冷静に思っていると、何処からか


『はーい!皆さーんようこそおいでくださいましたー!』


と涼しげな声が聞こえてきた。



その声は、まるでこの状況を把握している…………。そう肌で感じたのは言うまでも無いだろう。


神殿の入り口らしき所から、声の本人であろう者が此方に走ってくるのが見える。





…………が、その姿を見て辺りの連中はざわめき始めていた。



何故なら……



「あいつ、獣人なのか……っ!?」








そう、そいつの容貌は長い金髪に華奢な体をした







『獣人』だったのだ……!













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