おいもとざくろ

 良く晴れた秋の日、私は人形と一緒に庭に植えた柘榴石の樹から落ちた枝を拾っていた。

 沢山拾った枝を四角くて底の深い金属の缶の中に、お芋と一緒に入れて火を灯した。

 柘榴石の枝が燃える甘酸っぱい香りと、お芋が焼ける香ばしい香り。美味しく出来上がるといいねなんて人形と話して、火が消えるまで缶に手をかざしつつ、たまにかき混ぜながら楽しんだ。

 火が消えてから、人形は炭になった枝を、私は少し皮が焦げたお芋を取りだし、それぞれ手に持ったものに息を吹きかけて冷ましながらすこしずつ囓る。

 お芋のホクホクとした食感と甘みを味わっていると、人形もにっこりと笑って炭になった枝をサクサクと食べている。

 これが私たちの秋の楽しみだ。

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