水の枷
仕事でこの星に訪れたある日の朝、僕はぐったりとベッドの上で横になっていた。
窓の外は霧で真っ白で、その影響でか部屋の中まで湿っぽかった。
髪に触れるとごわごわしていて、いつもより膨らんでいる。手足も、いや、体中が浮腫んでどうしようもなくだるい。
霧が晴れてくれないとまともに動けない。そう思いながら手で腕を握ると指の痕がくっきりと残った。
痕を付けたままにはしておけないので腕をさすり、この星で暮らす石を食べる人形のことに思いを馳せた。
彼らは濡れたりしても壊れてしまうと言う事はないのだろうか。石から出来ているから平気なのだろうか。
石の人形を思い描きながら、僕は紙で出来たこの身体が不便だと、少しだけ思った。
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