虹色の令嬢
目の前に座っている人形の髪を手に取り、霧吹きで軽く湿らせる。すると、白い髪は透明感を増し、七色の光が浮かんだ。
この子はミネオールではないけれども、いつもオパルを食べさせているので性質がオパルに似ているのだ。
虹色に輝く髪を私が編み込んでいる間、人形はずっと白や青やピンクや緑のオパルを次々と頬張っている。
深い色の短い毛足のある布でできたワンピースを着て、私に髪結いをされて。まるでその姿はお嬢様その物だ。
人形の髪を編んで結い上げ、簪と櫛で飾って思わず笑ってしまう。
「こんなに食いしん坊な子だなんて、この姿を見た人は誰も思わないよ」
すると人形は、鏡越しににっこりと笑ってこう言った。
「そう言う需要もある」
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