思い出の君
我が家に新しい人形が来た。まっさらで、まだひとくちも石を食べたことのない人形だ。
この人形は、私の娘の為に買った物。私が度々、一緒にいた人形の話をしていたものだから、娘もだいぶ前から人形が欲しいといっていたのだ。
改めて、昔私と一緒に育った人形のことを思い出す。真っ黒で、石墨の味しか知らなかったあの子。寿命と言われる程の年月が経った頃、ずっと不安で仕方がなかったっけ。
けれどもあの子は、姿を変えて寿命を延ばした。真っ白な、輝くような人形になったのだ。
その白い人形も、娘が生まれるほんの少し前に寿命を向かえた。娘が新しい人形と良い思い出が作れるように、博物館へ寄贈したあの子の所に今度一緒に連れて行こう。
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