神のヒトガタ
うららかな日差しが差す暖かい日のこと。障子が全て開け放たれた部屋の中で、神様が紙を切ってヒトガタを作っていた。
そのヒトガタは神様の手を離れると、てくてくと縁側へ歩いて行った。強い風が吹く。ヒトガタが吹き飛ばされる。神様は声を上げてそれを追いかけようと立ち上がり手を伸ばす。僕もすかさず神様の後を追う。廊下を走る神様に追いつくなり小柄な体をぎゅっと抱きしめた。
「人形は」
腕の中でもぞもぞと動く神様に声を掛ける。
「人形は僕だけで満足出来ませんか?」
僕だって、ずっと昔に神様が作りだした【人間】と言う名の人形の慣れ果てだ。今更ヒトガタなど作らなくても、僕という人形が側に居るのだ。
神様が、僕に寄りかかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます