供物の菜の花
春。暖かな日差しの下で、今日も神様は花を沢山摘んでは僕の所に持ってきてくれている。いつもこうやって花を贈ってくれるのは嬉しいけれども、そう言えば僕は、神様に贈り物をしたことが無い。
今更ながらにそれを恥ずかしく思いながら、僕は人間から供えられた菜の花を受け取りに行く。
沢山の菜の花を抱えてふと思った。そして僕は、それをすぐに実行に移した。
菜の花を全て適切に処理したあと、僕は神様の所へ行く。神様は不思議そうな顔をして僕を見る。その常磐色の髪の上に、僕は硬質な輝きを帯びた菜の花の輪を乗せた。
「いつもお花を下さるので、お礼です」
神様はきょとんとしてから、嬉しそうに声を上げる。
贈り物がお気に召したようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます