宝石色の

 食事も終わり、ゆったりとした夜を楽しむ。人形と一緒にソファに腰掛け、目の前のテーブルにはブランデーと、それと同じ色の柘榴石が置かれている。

 僕がブランデーをグラスに注ぎ口を付けると、人形も柘榴石を摘まんで口に含む。

 グラスの中で揺れる酒と落ち着いた照明を照り返す宝石。同じ色だけれどもこれらは同じ味なのだろうか。

「美味しいかい?」

「おいしい」

 この人形は僕にとって三人目の人形だ。自分が食べる物に似た宝石を昔から与えているので、未だミネオールになった人形は居なかった。

 短い時間しか側に居られないと知っていても、仮初めでも、同じ物を食べる時間を過ごしたかった。

 もしかしたら、私が人形になりたいのかも知れない。

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