真珠とワイン
夕食時、目の前で宝石を頬張る私の人形を見ていた。
私の今日の晩ごはんはチーズドリアで、それに合わせて白ワインを用意してあった。
ふと、私は思う。宝石というのは、どんな味なのだろう。
「ねぇ、それってどんな味なの?」
人形にそう訊ねると、人形は自分のために用意された真珠を一粒私に差し出して言う。
「気になるなら、食べてみれば良いじゃない」
そう言われても、私がどうやって宝石を。そう思いながら真珠を受け取り、思い出す。どこかの女王が、真珠をワインに入れて飲んでいたっけ。
私は真珠を白ワインに入れ、ゆっくりと味わう。最後にはワインと一緒に飲み込もうとしたけれど、喉に引っかかってしまう。
それでもごくりと飲みこんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます