真珠とワイン

 夕食時、目の前で宝石を頬張る私の人形を見ていた。

 私の今日の晩ごはんはチーズドリアで、それに合わせて白ワインを用意してあった。

 ふと、私は思う。宝石というのは、どんな味なのだろう。

「ねぇ、それってどんな味なの?」

 人形にそう訊ねると、人形は自分のために用意された真珠を一粒私に差し出して言う。

「気になるなら、食べてみれば良いじゃない」

 そう言われても、私がどうやって宝石を。そう思いながら真珠を受け取り、思い出す。どこかの女王が、真珠をワインに入れて飲んでいたっけ。

 私は真珠を白ワインに入れ、ゆっくりと味わう。最後にはワインと一緒に飲み込もうとしたけれど、喉に引っかかってしまう。

 それでもごくりと飲みこんだ。

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