蒼の続き
春の日差しが暖かなある日。社の近くにある花畑には色とりどりの花が咲き乱れていて、その上に横になると青く甘い香りが鼻孔ををくすぐった。
「おー」
僕の隣に寝て居る神様が、空に向かって両手を伸ばしている。時折手を左右に動かし、握ったり開いたりしているのは、雲を捕まえようとしているのだろう。
神様は遙か昔、海の底からやって来たと伝えられている。空とは真逆の冷たい水の底には何が有ったのだろう。水の底から来たからこそ空には何か思い入れがあるのかもしれない。
風に撫でられた花が頬を触れる感触に横を向くと、そこには空色の花が咲いていた。それを摘んで神様の髪に挿すと、きょとんとしてから僕の方を向いて嬉しそうに笑った。
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