硝子の文字

 私がパソコンとにらめっこをして課題を進める傍らで、ひとりの人形が専用の机に向かってペンを握っていた。そのペンはガラスで出来ていて、細い線を容易に引くことが出来た。

「お休みなのに課題があるのってへんなの」

 繊細なガラスのペンでレターパッドに文字を書く人形が言う。それから、ペンのおしりをペロリとなめた。

「またそんな事して。前もそれやってペン一本食べちゃったでしょ?」

「だって美味しいんだもん」

 他の家に居る友達に手紙を書くためにガラスペンを欲しいと言ったのはいつのことだったか。今使っているペンも、ちょくちょく舐めているせいでだいぶ短くなってきた。次の休みには、この子と一緒にまたガラスペンを買いに行こう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます