星雲の瞳

 私が六歳の時、両親が人形をプレゼントしてくれた。鉱物を食べて成長する自律の人形。どの家の子も、この人形を持っていた。

 その日以来、私はこの人形に毎日鉱物を食べさせている。

 今日は白い半透明の石。

 今日は青の中に色が揺れる石。

 今日は桃色の不透明な石。

 今日は青緑色の透き通った石。

 この石を選んでいるのは、いつも私だ。毎回全く違う石を選んでいるつもりだったのだけれど、ある時本を読んで、石の正体を知った。

 いつも選んでいた石は、どれもオパルと呼ばれる物だった。

「いつも同じ石で飽きない?」

 私が問いかけると、人形はこう返す。

「いつも美味しいから飽きない」

 嬉しそうな人形の瞳を覗き込むと、黒の中に様々な色が浮いていた。

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