宝石が生る

 今日はとても良い天気。庭に植えた木には赤く透き通る柘榴石が生っている。私は小さい頃から一緒に暮らしている人形と一緒に、宝石を収穫しに庭に出た。

 赤い瞳に緑の髪の人形。この子は割れてしまい易いから、落ちてきた石が頭にぶつからないように、星座の刺繍が入ったレースの日傘を持たせる。

 私が脚立を使い、腕にかけた籠に柘榴石を収穫していくと、あの子は嬉しそうな顔をする。

 ふと緑色の石が目に入った。鉄礬柘榴石になりきれず、未熟なまま灰鉄柘榴石のまま大きくなるのは珍しい。

「緑の有ったよ。これ好きだもんね、食べる?」

 そう言って私が脚立の上から緑の石を渡すとあの子は傘を避け、嬉しそうにカリッと言う音を立てて口に入れた。

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