オレンジレイン
うにまる
オレンジレイン
僕は今日、コンビニでお酒を買いました。普段はまったく買わないのに、今日は小さなビンのお酒を一本買いました。もちろん家で飲むためです。
おつまみは買いませんでした。おつまみのない晩酌なんて、女の子のいない修学旅行みたいですか?それはそれで楽しそうけれど、やっぱり何か物足りないですか?いやいや、心配ご無用。実はおつまみ代わりになるものがあって、それのお供としてお酒を買ったのです。女の子に誘われて旅行に行くほどウキウキするものはありません。
実は、友人二人が短編小説を書くと宣言していました。事の始まりは昼食のくだらない取り決めで、僕を含む三人が小説を書いて、お互いに見せ合おうという内容でした(男子大学生であれば色恋沙汰の一つや二つを話せばいいものを・・・)。
そして、今日ついに二人から原稿が送られてきたのです。僕は実に色んな感情を心の中に抑えながらデータを開きました。もし自分より面白かったらどうする!?
思えば、僕が短編小説を書き始めたのも昼食のくだらない取り決めがきかっけでした。でも、それがあったおかげで、少しずつではありますが、短編小説を書く機会が生まれました。
友人は短期間の執筆活動で、大変な思いをしたからもう書かないと感じたり、作品を人に見せるのがとても恥ずかしくなったりと、色々吐露していましたが、気持ちはよくわかります。だから、自分も無理に推し進めたりなんかは到底できません。ただ、彼らはきっと何か得たはずで、それをどんな形であれ活かせればいいなと思います。
作品を読ませてもらったとき、ふたりともよくできていて、一言、すごいなと思いました。お世辞なんかじゃありません!お世辞なんて言葉この世からなくなればいいのに!!
表現が独特で自分ではまず書くことができないものもあれば、物語として読者を引き込ませる書きぶりをしているものもあり、参考になる部分がたくさんありました。
僕はとてもうれしいです。二人が作品を書き上げてくれたことに心から感謝します。
僕は瓶の蓋を開けました。さて、これから晩酌を始めたいと思います。ピクニックに行けなかったことを悔やむ横顔がきれいな女性と、ショートボブの天然な女の子が僕を橙色の粒の中へ誘ってくれることを期待して。
オレンジレイン うにまる @ryu_no_ko47
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