狐の処刑
林道 聖
第1話 妖怪の友達
「妖怪」
人知では不思議と考えられるような現象。
そんな現象にも生があると同時に死も存在する。ただしそれはつい最近の話だ。
昔は良かった…俺達のような存在が潜む場所なんて腐るほどあった。なのにどうだ?今では存在できる妖怪なんてろくにいやしない…。だが俺達は生まれる、妖怪として生まれちまうんだ。俺達は人間様なんかと違って生まれるには俺達の存在が話され、恐れられるだけでいいようないくらでも生産できるような存在なんだ。そしてついでに俺達は「死ねない」。だがよ、もうこんな住みにくい世の中じゃ誰かが死ななきゃなんないんだ。
だから生まれた…妖怪を殺すためだけに生まれちまった…俺達より可哀想で、誰よりも強い…そんな俺のたった一人の友達の話をどうか聞いてやってくれ。
人呼んで彼の名は「処刑人」。狐の姿をした───
狐の処刑 林道 聖 @KPeter
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