第2話

アヤコの泣き声は森中に森中に響き渡った。

『おや、女の子が泣いているぞ…これはこれは…』

「だれかいるの?!」

アヤコは大声で叫んだ。

『誰もいないよ』

小さな声が聞こえた。

アヤコは必死に止めようとしてもポロポロあふれでる涙を拭いながら、声のする方へ近づいた。

「誰なの…?どこにいるの?」

アヤコが問いかけると

『ここだよ…ここだよ…』

だんだんと声が大きくなるのがわかった。

その時クルっと足になにかがひっかかった。

そう思った瞬間アヤコは派手にこけていた。

『おや、大丈夫かい?すまんねぇ…』

声がする方を、見上げると大きな木に目と鼻と口がならび顔がありこちらに話をかけてきていた。

アヤコは驚きが隠せず口をポカンと開けたまま大きな木を見ていた。

カサカサっと音がしたかと思うと大きな木の肩のようなところに真っ黒の服に身を包んだ髪の長いきれいな人が突然現れた。

「驚かせてごめんな!」

というと、気を滑り台のようにしてスルスルとおりてきた。

「私、黒魔術師のリッキー。よろしくな。」

そういうと、右手を差し出した。

「えっと…私アヤコです。小学4年生。よろしくお願いします」というとリッキーの右手に、自分の右手を絡めて握手を交わしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

侵食世界。 @f_u_c_k____4

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る