28:股が裂けるほど痛い棒の侵入


★トモマサパート



 おおーい、客が全然やってこないぞ。

 なのでルーシアさんは、ファッション雑誌らしきものに目を通している。


 この世界にも雑誌ってあったのかぁ。じゃあ漫画もあるのかな?

 なんてことはどうでもよくて!

 隣で俺が自分のスカートに手をかけると、


「いけませんよ」


 手首をがっしりと掴んでくる抜け目のなさ。

 女神様ってば本当に非力で、いつも以上に掴まれた腕がびくともしない。

 これじゃあ、女神様の羞恥プレイを盗み見ることだってできやしない。

 ああ、せっかく入れ替わったというのに。


 というか!

 それ以上にちょっとまずいのが、さっきからお腹が痛いということだ。



「あの、ルーシアさん?」

「なんですかー?」


 雑誌に目を落としたまま、ルーシアさんが言う。


「お腹痛くて、おトイレ行きたいかなー、なんて」

「ダメですよー」

「いや、本当にお腹が痛いんです」


 ルーシアさんが俺を見た。

 口に出すと、意識しちゃったのかますます痛くなってくる。

 もう、見た目られても視線をそらす余裕がない。

 マジで腹いてぇ!



「嘘じゃないみたいですね」


 こくこく、頷く俺。



「……わかりました!」


 ルーシアさんが雑誌を勢いよく閉じて、立ち上がった。


「これ、使いましょう」


 カウンターの下から取り出したるは、黒いアイマスク。

 いつかのプレイを思い出してゾッとしたけど、それどころでもない。



「なんでもいいですから、トイレ行かせてください」

「りょーかいでーす。では、ついてきてくださーい」


 ルーシアさんにトイレの前まで引っ張られ、目隠しをされた。

 それから二人で中へ。



「えっ、ナニするんですかっ!」

「私が脱がしまーす。トモマサさんは決して見たり触ったりしてはいけませんよー?」

「は、はぁ」


 いきなり、スカートを捲られパンツをずりおろされた!


「る、ルーシアさんっ!」


 今の俺には男の子の証が生えていない。

 それどころか、身体は女神様のものだ。

 それでも、普段人には見せない大切な部分を見られていると思うと、恥ずかしい!

 ああ、どろりとした熱いものまで太ももを伝い、たれていく。


「あー、だいぶ出血してますねー」


 そう、血だ。

 股間から血が――



「えっ、血!?」

「生理ですねー」

「生理!?」



 ひえっ!

 生理って、あのお腹が痛くなったり血がドバドバ出たりするあれ!?


「棒、挿れますね」

「棒!?」


 棒って、タンポンとかいうやつ?

 タンポンって棒だったっけ?

 それとも、異世界だから生理用品の形状が違うとか?

 わからない、わからないよ童貞だもの!

 ガサガサ、棚を漁る音がする。


「あったあった。では、座ってくださーい」


 言われるがまま便器に腰を落とすと、両手で股を開かされた。



「る、ルーシアさんっ、恥ずかしいですっ」

「我慢してくださーい。挿れますよー」


 ずぶっ!

 異物が股の穴らしいところから、身体の中に入っていった。



「あああ、痛い、痛いよ! 股が裂ける裂ける! 痛い! 血が出てる! すっごい熱い! やばいやばい血が出てるよ死んじゃうよーっ!」

「大袈裟ですよー。多少裂けてもポーションで治りますし、大丈夫でーす」


 裂けてもってなに?

 怖い怖い、異世界の生理用品怖い!


「押し込みまーす」

「ひゃああああ棒がどんどん挿入っていくううううううあああーっ!」


 俺の悲鳴(声は女神様)がトイレの中で響き渡った。




                   ❤❤H❤❤




 深夜。

 無事元の身体に戻った俺たちは、向かい合うようにして正座していた。



「トモマサさん、今までいろいろ大変な思いをしていたんですね」

「女神様、女の子っていろいろ大変なんですね」

「プレイを覗き見ては馬鹿にしてきて」

「えっちな目でばかり見てきて」

「「すいませんでしたアアアアーッ!!」」


 同時に土下座。


 この経験を通し、絆が少しだけ深まりましたとさ。



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リアルでぼっちだった俺でも、異世界なら童貞卒業できるって本当ですか? 星崎梓 @hosiazuazu

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