エピソード4
教室に入ると、2人の女の子が近づいてきた。
1人は、ショートカットで少し茶髪、浅黒い肌が活発な印象を受ける子で、「最上 瑠香」
もう1人は、黒髪ロングで大人しい感じの「中島 美雪」だ。
その最上から
「龍君、昨日はかばってくれてありがとう!けがさせちゃったけど大丈夫だった?」
昨日、最初に「脅し」の衝撃波が来て、教室に爆風と割れたガラス片が飛んで来たのだった。
窓際にいた最上と中島を咄嗟にかばい、背中でガラス片と爆風を受けたのだった。
「ああ、大丈夫だよ。わざわざありがとう。大したけがじゃなかったから気にしないで」
「気にならない訳ないじゃない!私も美由紀もすごく心配したんだからね!」
「その後窓から飛び下りて行っちゃって、どうしたかと思ってたんだから」
「ほら、美由紀もお礼言って!」
と最上に言われて、恥ずかしそうに中島が後ろから顔をだし
「龍君ありがとう・・・。」と小さく言った。
「恥ずかしがってる場合じゃないでしょ美雪!」
「ごめんね龍君。良かったらお礼に授業終わったら、ごはんでも食べに行かない?」
そんな話をしていると、周りの男子がざわついていた。
実は、大学で人気上位の2人なのだ。
狙っているやつはかなりいるのだが、今のところみんな玉砕されているようだ。
そんな2人から食事に誘われているのだから、かなり鋭い視線を受けている。
「悪い、今日は警備隊に呼び出されてるんだ。ありがたく気持ちだけ受け取っておくよ」
「じゃ、じゃあさ、今度空いてるときに行こうよ。ね。私たちの気も収まらないからさ、お願い」
「そんな気にしてもらう事でもないんだけどな。じゃあまた声かけてよ」
「分かった、絶対声えかけるから、今度は断らないでよね」
「今回程の理由が無い限りは大丈夫だよ」
「やった、じゃあ約束ね、美雪、良かったね!」
「う、うん。なんか強引に誘っちゃってごめんね龍君」
「2人から誘われたら、嬉しいだけだよ」
と、男子達から恨まれる状況となり、内心不安を覚えながら約束してしまった。
「それより、本当に大丈夫だったの?かなりの爆発だったし、あの西園寺さんをかばったんだよね?すごいよ!」
「いやいや、反射的に飛び出しちゃったけど、西園寺さんの防壁でほとんど防げてたんだよ。余計な事をした、お叱りの呼び出しだと思うんだ」
「そっかー。でも私達がけがしなかったのは確かだから、あんまり怒られないといいな」
「そう願いたいね」
そんな話をしつつ、面倒な事になりそうだと、内心では気が重かった。
僕が地球を救うわけ Tatsuya @tatsuhiko
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