エピソード3
翌日、下手に休むとさらに怪しまれるので、普通に大学へ行く事にした。
ちなみに俺が通っている「太陽学園大学」は、付属で中学から大学まで有り、ユグドラシルの表向きの会社、「Y’Corporation」 が運営している。
卒業後も研究室や、そのまま「Y’Corporation」に就職出来たりするので結構人気だ。
一応世界的に有名な企業で、主に地球環境を良くするあらゆる手段の研究、開発機関である。
民間警備部門が特に有名で、各国が抱える「環境問題」に関わる警備を請け負い、先のパワードアーマーなどを使用したエージェントを派遣して解決したり、自社で環境破壊などにつながると認識した問題を解決する組織としているが、裏ではかなりの戦闘行為を請け負っているので、裏社会ではその方で名が通っている。
そんな学園の為、冒頭から活躍していた、「警備部」はかなりの精鋭がそろっている。
昨日は不在だったが、警備部部長「坂本 剣聖」(4年生)、副部長「西園寺 綾香」(2年生)、特攻隊隊長「河北 金剛」(4年生)、この3名が主軸となり、高校2年から加入でき、約30名で構成さてれている。
大学になぜ警備部なんてものがあるかというと、警備部門への就職希望者の訓練をする為と、母体の会社が会社だけに、研究施設に乗り込んでくる者があとを絶たない為、学生達を守る名目で組織された。
もちろん俺は入っていないし、ある意味すでに就職しているが、カモフラージュの為普通の学生として在籍している。
昨日の騒ぎに部長さんと特攻隊長さんがいれば問題なかったのだが、運が悪い事に2人共不在だったので、つい手を出してしまった。
「俺も不運だよなー」と思いながらこっそり登校した。
はずだったのだが、西園寺嬢が待ち受けていた。
顔立ちは幼さを残している可愛い顔立ちで、綺麗な黒髪をポニーテールにし、すらっとしたスレンダーだが、出るところは出ているという容姿に男子は一目で撃沈され、気丈な性格ではあるが、誰にでも優しいので、女子からも大人気の方だ。
通常の友達としてであれば、ぜひともお話したい所なのだが・・・。
「待ってたわ、神木 龍之介君」
「さあ、昨日の事、説明してもらいましょうか?」
「プライベートって事で勘弁してもらえないかな?」
そう言ってお近づきになりたい思いをかみ締めて素通りしようとすると、彼女の後ろから、特隊の河北先輩が出てきた。
「俺もあの有り様を防いだお前の話を聴きたい。授業が終わってからでいいから、ミーティングルームにきてくれないかな?」
2メートルはあるかと思われる身長、プロレスラーのような体、なんでも叩きつぶせそうな拳、断ったら殺されそうだが、意外と優しい目をしているイケメンだ。
「河北先輩までわざわざ出向いていただいたなんて、行かない訳にはいかなそうですね。分かりました、これでもまじめに授業受けてるんで、終わったら伺います。4時頃でいいですか?」
「そうか、ありがとう。よろしくな!」
そういって握手の為手を出してきた、それを「受け」、「失礼します」と言ってその場を離れた。
「西園寺、あいつ本当に何者だ?握力100Kgの俺の握手で、こっちの手が痺れてるぞ」
「分からないです、調べても普通の転入生でしたが、昨日のあれを素手で防いでましたから、なにも無いわけないと思うんです」
「部長にも報告して、あとで合流してくれる事になっています。何か聞き出せるとは思っているんですが」
そんな2人の視線を感じつつ、なんて説明しよう?と思いながら、とりあえず教室に向かった。
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