エピソード2

「あまり派手に暴れてもらっては困るのよ」

ユグドラシルのサポートエージェント、亜里沙は言った。

「しょうがなかったんだよ。あれほどの威力の衝撃波を急に出しやがったからな」

「それよりどうなってんだ!あの“ロンギヌス”とかいうやつら、学校のセキュリティーを超えて中央キャンパスに入り込んできたぞ」


大学は“ユグドラシル”と国が共同で運営している事もあり、強固なセキュリティーがある。

警察の機動隊の突入ですら、防げる位のものだ。


「それにパワードアーマーを装着していた。ただ事じゃないぞ」


“パワードアーマー”ユグドラシルが開発した装着型の強化装備だ。

今や世界各国が使用している。

人間の筋力を倍増させたり、“精神”の力を増幅し、“氣”として具現化出来たりする。

そして1番特筆する事は、魔術、魔法と呼ばれていたものの解明だ。

この地球には、土、風、水、火、にまつわる“エネルギー”が存在する事が解明された。

その“エネルギー”に精神波を使ってアクセス出来るようになったのだ。

もちろん、パワードアーマーの特殊装置を介してとなるが、なにも無い所で火を出す事などが出来るようになった。

その為、さまざまな事に使用出来、有害物質を出す事がないので、工事などに使用して環境汚染を減らす新しい方法として注目され普及している。

そもそもそういった目的で作られたのだ。

もちろん兵器として使用出来てしまう事も事実であり、工事用のものはもちろん、使用には厳しい審査が有り、免許の取得が必要になる。


個人所有は基本的に出来ない事になっている。

腕に装着するのが主流だが、警備組織は手足、機動隊は+胸当て、軍隊ほどになると全身を覆うパワードスーツといわれるほどのものとなる。

使用する人間の筋力、精神力によって、その威力が増減する。


そのパワードアーマーが使用されていたのだ。


「今調べている所だけど、恐らく軍出身者が研究して独自に開発したものとみられているわ」

「威力も半端なかった。なんとなく相殺して防いだからよかったが、校舎が1つ無くなってもいいぐらいのものだったよ」

「狙いは恐らく現在研究中のパワードアーマーだろう。あれは軍1個大隊を相手に出来る代物だからな」

「それに、俺のアンチマジックを知っていた・・・」

「あいつは世界を開放すると言っていた。おそらく“アースガルズ”の存在を知っているんだと思う」

「どこからか情報が漏れている。というかもう隠し通せるものでもないか」

「せっかく大人しい留学生を気取っていたのに台無しになっちまった」

「警備部に目を付けられただろうなー・・・面倒だ」

「亜里沙、なんとかしてくれよ!」


エージェントには必ずサポーターがいる。

俺のサポーターは「遠峰 亜里沙」だ。

IT全般に精通し、なおかつ空手4段のつわものだ。

彼女に聞けば分からない事は無いのでは?と思うぐらいの情報収集力を持っている。


「なんとか出来る訳ないでしょ!麗の西園寺嬢に目を付けてもらって、本当は嬉しいんじゃないの?」

なぜか少し怒っている様に見える・・・。

たしかに西園寺嬢は、才色兼備、誰もが認める美女だ。

それゆえ取り巻きも多く、一緒になんかいたら目立つ事この上なくなってしまう。


「やれやれ、明日からどうしたものかな?」

「とりあえず今日は帰って寝るよ。明日また連絡するからよろしく!」

「おやすみ亜里沙」

というと少し困った顔をして手を振っていた


「人の気も知らないで、いつも平気な顔をしてるけど、今日だってかなりの怪我をしてたな」

「無茶しなきゃいいけど・・・」

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