第10話 ドミナント
妹を送ってから帰路の途中でコンビニに立ち寄ってお酒を何本か買ってから戻った。
今日のお酒のお供は無論、本である。
缶の水滴、服で拭う指先、ページをめくるには丁度いい湿り気だった。一冊読み終わる頃には空になっていた。
酒一本で本一冊か、てことはあと二冊は読める計算になるが、酔ってくれば本を読むのもままならなくなるだろう。飲んでいるとすぐ眠くなるタイプだからな、俺は。
飲むペースを考えねばなと思いながら、冷蔵庫にお酒を取りに行くと、またしてもチャイムが鳴った。夕方を優に過ぎてはいるが夜遅くと言うには早かった。そんな時間帯に思い当たる訪問者と言えば、宅配業者くらいなものだった。
今日は千客万来だな ……だが待てよ?
いつもならば、玄関のドアを開ける前に思案するのだ。日本と言えど、地方と言えど、事件はいつどこで起こるかは誰も知らないのだから、備えあれば憂いなしと、多少は訪問者に身構える。だが、俺の体を程よく蝕むアルコールが、そんなもんをすっ飛ばして脳と筋肉を直結させて反射的に体を動かし、玄関の鍵を解錠して、玄関のドアを開けてから気付いたのだ。そう、宅配など頼んでいないし、思い当たる訪問者もいないと言うことに。そして、今世紀最大級に顔をぐしゃりと歪ませたのだ。
半分開いたドアの先には、妹よりも少し背の低い、髪の短い、俺と同い年の強気の堂々たるニンマリ顔で仁王立ちする女である。
まずい、と思いドアを一旦閉めようとしたが、すでに扉に片足を突っ込まれてしまっていた。
「ちょっとなんで閉めようとするのよ!」
なんでって関わりたくないから閉めるんだが?
「はいはいごめんなさいねー、うち新聞は取らないんでお帰り頂いていいですかー? 片足だけでも不法侵入です、よっ!!」
ぐっと突っ込まれた足ごと両手でドアを引いた。
「い……!! 痛いんだけど! 開けないと警察呼ぶわよ!!」
そりゃこっちのセリフだ。
「いいから帰れ! お前が来ると何か得体のしれないことが起こりそうな気がするんだよ!」
「いいじゃない家に入れなさいよ! 減るもんじゃないんだから」
扉を両手で掴んで強引に彼女は入ろうとする。
「ああ、そうだな。減りはしないが増えるだろうさ、面倒事がな!」
俺も更にドアを引っ張った。
「別に今日は特別用事があって来たわけじゃないわ! あんたとお酒を飲みたくて来ただーけーなーのー!!」
彼女は扉を揺すった。
このままの綱引き状態だと近隣に迷惑であることは言うまでもなく、お巡りさんに一報されるのはいろんな意味で面倒だ。降り掛かった面倒事、お巡りさんに厄介になるより、この疫病神を鎮めて帰らせれば迷惑はここだけに留めることができる。やむを得ん。
「本当にそれだけなんだろうな?!」
「だからそう言っているでしょ!」
「わかった。適当に飲んだら帰ってくれよ?」
渋々、センブリ茶を飲むような苦みを喉に押し込んで、扉を開いた。
「そうそう、素直に家に通せばいいのよ。……ていうか、このデカいダンボール邪魔ね。何なの?」
「何も言うな。ほれ、リビングにさっさと行け」
「あっそう。まあいいわ」
リビングに通すと突然彼女は立ち止まる。
「ねえ…、なにあの本の山。あんた本でK2でも作る気なわけ?」
何と言う既視感、デジャブ。
「そんな大層な山を作る気はない。本は勝手に読んでも構わんからそれ以上言及するな」
「…そう、仕方ないわね。今日のところは言うこと聞いて上げるわ」
「そりゃどうも」
なんてふてぶてしい奴なんだろうな。
彼女はローテーブルの前に座ると、手に下げていたコンビニのビニール袋から袋一杯の酒とツマミをテーブルに並べた。
「私、優しいからあんたの分も買ってきてあげたわよ。でもこれは奢りだから貸しよ? 貸し1つね」
頼んでもいないし、なんならここは俺の家で上げてやったことを感謝してもらいたいくらいなのに、勝手に、しかも俺の意思など関係なく、貸し1つをでっち上げやがった。こいつはどっかの国の特殊な機関でネゴシエーターとして、マフィアや悪の秘密結社や何かの胡散臭い組織と渡り合っている方が世界に、塩ひとつまみ分くらいの微々たる平和をもしかするともたらしてくれるかもしれない。
カシャっと彼女は、ビールの封を開ける。しかし、すぐに飲むことはなく俺の方を凝視していた。
「な、なんだ?」
「なんだじゃないわよ! ぼさっとしていないであんたも持ちなさい」
ちょうど酒を飲み干していたから、こいつが買ってきたハイボールの缶を開けて手に持つ。
「それじゃあ、かんぱーい!!」
そういうことか。
「はいはい、乾杯」
「う、う、う、っはー、うまい!」
気持ちいい飲みっぷりだな。
彼女の名は、「鎹幽」本名「春日涼美」
ほぼ同時期に作家としてデビューした言わば同期みたいものである。だが、彼女と俺で大きく異なる点が一つある。それは、彼女が天才売れっ子ライトノベル作家であるのに対し、俺が平凡へっぽこライトノベル作家であると言うことだ。
鎹幽と言う作家は、俺達がお世話になっているライトノベルレーベルの大賞を受賞しデビューを果たす。デビュー後、すぐに大賞作品ではない新シリーズがなぜか発表された。そして新シリーズが発表された翌月から2作品同時に新刊が発行されたのだ。つまり大賞作品の2巻と新シリーズの初巻が同時に出されたわけだ。しかし、これは彼女の伝説の序章に過ぎない。彼女はつい最近まで毎月2冊以上の新刊を出していたのだ。勿論別シリーズで、同時にである。
大賞の泊、筆の速さ、面白さ、奇抜さ、おまけに容姿端麗であるため、作品のアニメ化の際には度々メディアへの露出もあり、すぐさまライトノベル界にその名を轟かせたのだった。
こいつはリードを握らず野放しにしておくとロクなことにならない。制作側は一体何を考えているのやら分からんが、奇人変人はともかく彼女は天才なのである。そんな天才が、はたまた厄災が、なぜここにいるのか、凡人の俺になんかに構うのかは依然として不明である。というか、彼女は意味不明である。
「あんた、最近新刊出てないみたいだけどスランプ?」
むせそうになって吹き出さないように耐えた。
突然口を開いたかと思えば、なんともデリカシーのないことを言いやがる。
「スランプなんて偉人のかかる病だ。俺のはただの一時的不調ってやつだ」
「何言ってんのあんた…? 世間ではそれをスランプって言うのよ。あんたバカなの?」
バカなのはお前だ。アポ無しで酒を持ってきて家に入れろと要求した挙げ句、家に上げたら感謝もせず貸しをでっち上げるやつに、世間を語られる筋合いはない。
「本当に、スランプなんて仰々しいもんじゃない。今はある程度書けているし、創作意欲もある。それにな、一般人はお前と違ってそう毎月毎月新刊を出せるわけじゃないし、3ヶ月に1冊出せりゃあ御の字なんだよ。だから今までが絶好調で、不調と言うかむしろ平常運転に戻ったと言ってもいいくらいだ」
鎹は「ふーん」と興味無さそうにそっぽを向いて続けて言う。
「あんたつまんないこと言うのね」
「なに…?」
「今まで出来ていたくせに出来なくなったらそれが普通って言い訳して、今まで苦も無く出来ていたんだから、これからもそれが出来て然るべきなのよ」
俺は立ち上がった。気持ちのままに。
「そりゃお前みたいにばかすか書けるやつはそうかもしれんがな、俺みたいな才能ないやつにはそれは難しいんだよ」
酒が入っているせいか言葉も気持ちにも波が立つ。額の汗に冷静さが欠けていると思い知らされる。
彼女は「はぁ…」とため息をついて続いて言う。
「私、あんたに説教するために来たんじゃないんだけど…。まぁ、いいわ。言ってあげる」
彼女は立ち上がった。俺の前に立ちはだかるように。
「あんた、才能ってなんだか知ってる?」
「才能だ…? 才能は、生まれながらに与えられた特別な能力だ。それも、努力では届かないな」
すると、彼女はまたため息を吐いた。そしてはっきりと言う。
「違うわ」
「いいや違わないね」
「いいえ。あんたは勘違いしているの」
「何が勘違いって言うんだよ」
語気が強まる。が、そんなもの彼女には関係ない。彼女は目を見開き、俺の方を指差して言う。
「才能はね、誰かが勝手に決めつけるものよ」
全く意味がわからん。
「才能なんていうのは、そもそも発揮出来る場が無ければ才能ではないのよ。その場に他人がいるから、競い合うから、評価の軸を作ってしまうから、才能という都合の良い言葉で括ってしまうだけ。でも私気付いたの」
そう言うと彼女は腕を組んだ。
「私は私に出来ることを当たり前のようにやっていて、私自身は私に才能があるなんて関知していないの。周りが関知しているだけ。だから、あんたもそうなのよ」
「俺も勝手にお前の才能を関知している勘違い野郎ってか…?」
自虐気味に言ってすぐに彼女は「そうじゃない」と頭を横に振って、続ける。
「あんたも自分の才能に気付いていないのよ。私にない才能を持っているくせに」
俺に才能…?と一体何が才能だと言うんだと、彼女の言葉を飲み込めず混乱のまま眉をひそめた。
「俺に才能がないから書けていないんだろうが。なのに俺の才能って……、馬鹿げている…」
「才能がないから書けてないんじゃなくて、才能を活かせていないから書けていないだけよ。あんたの才能は私と同じ方向を向いている。だけど、色や形は全然違う」
活かせていない、という言葉を言われてやっと俺は冷静にものごとを考え始めた。彼女言っていることを、伝えようとしていることを少しずつ紐解き始めたのだ。
「強みを活かせと?」
「そうとも言うし、」と前置いて、彼女は彼女らしく言う。
「好きにやれとも言うわ」
それを言われた途端ぞわぞわした。体の奥から分泌物が体の隅々まで行渡る。
今までは書きたいものを、好きなものを、書きたいように、好きなように書いていた。けれど、それが尽きてからはどうすればいいのか分からず、面白そうな、面白くない、書けそうな題材で書けないでいた。書いても納得いかないでいた。考えに考えてもそれらはむしろ事態の解決ではなく悪化に繋がっていたらしく、彼女はその逆を行けと言う。
全く持って納得のいかない言動をする鎹幽の言葉が腑に落ちた。そう思ったら、彼女の言葉を紐解いたら、何かが続けて解けた気がしてつられてニヤけてしまった。
あーあ、色々考えて試行錯誤していたのに馬鹿みたいだぜ。つまり、
「つまり、考えすぎるなってことか?」
「ええ、そう! Don’t thing Feel!!」
鎹は満面の笑みと、指紋が浮き出る程のサムズアップをしてみせた。だがな、才能の有無など関係なしに、そういう着眼点を持っているお前はやっぱり天才なんだよ。
頭をかいた。
「そんな敵に塩を送るみたいなことしていいのか? 俺たちは一応商売敵なんだがな」
「商売敵? 違うわよ。私たちは敵は敵でも好敵手よ! ライバル!!」
「ライバル?!」
「そうよ。だから原稿ができたら誰よりも先に私に見せなさい」
「へいへい…。ってちょっと待て、なぜお前なんかに一番先に見せなきゃならんのだ」
「いいじゃない。私はあなたのピンチに駆けつけ手を差し伸べる言わば恩人よ?! それに貸しもあるし……、わかったわ、ここは救った恩と貸し一つの両方で手を打ってあげる。出血大サービスだけど、あんたがそこまで言うなら譲歩するわ!」
いや、問題は全く持ってそこではないのだが? と言うか、いつの間にか勝手にまた恩を押し売られていたのだが? まあ、全く恩を感じていないわけではないが、流石に発売前の原稿を担当の編集者以外に見せるのは様々な問題が生じるだろう。
「お前な…、単行本発売前の原稿を編集者を差し置いて見せろは流石に無理だ。せめて本の形になってからにしてくれ」
そう言うと、彼女の顔は一変して明らかーに不機嫌な顔をした。まるで予告の時点で面白くないと分かっていながら見たB級映画が夢オチで終わったかのような、そんな顔をしていた。知らんけど。
「嫌よ」
「そんな駄々をこねないでくれ、頼む」
「嫌。あんたが、見せるって言わないなら私帰らないから」
彼女の頬はハリセンボン並みの膨らみを見せる。
鎹幽のいう女に冗談は通用しない。彼女はいつだって本気なのだ。マジで言っているのだ。だから、彼女が帰らないと言えば、恐らく何日だってここに居座ろうとするのだろう。なんて恐ろしいことだ。
「用があって来たわけじゃないって言ってなかったか? お前」
「酒を飲むために来たのは事実よ。でも読みたくなったのは家に上がってからだからノーカンよノーカン」
こいつはラノベの書きすぎで脳みそまでご都合主義に染まってしまっているらしい。いや、独裁主義の間違いか、ともかく得体のしれない面倒事の予感はこれだったか…。
「はぁ…、俺の負けだ」
と言うかお手上げだ。
「お前に原稿を見せてやってもいいが全文を見せることは出来ない、そこは譲れない。だが、編集者に見せる予定のものを先に見せるという条件でなら見せてやってもいい。どうだ?」
「まあ……。それでいいわ…」
横を向いた顔がどう見てもご納得されていない顔なのだが、お前はこれ以上一体何を要求しようって言うんだ…? これでも百歩どころか一万歩くらいは譲ったつもりなのだが。
「交渉成立だな。…ちょっとタバコ吸ってくる」
こいつが帰る見通しがついてひと安心、タバコを吸いにベランダに出た。
火をつけて一息、はー良かった。
セーフハウスで時限爆弾を抱えるのはゴメンだ。
考えようによっては容姿の整った異性とひとつ屋根の下と言う男なら誰もが夢に見るドキドキワクワクのシチュエーションなわけだが、無論、鎹ではドキドキもワクワクもするわけもなく、俺はきっと忙しなくハラハラかイライラすることだろう。
黙ってたら美人だったのにな。
半分ほどタバコを吸ったところで、出入りする大きい窓から鎹が顔を覗かせてきた。
「…なんだ? 煙が部屋に入るから早く閉めてくれないか?」
「私にもタバコ頂戴」
鎹はそのままベランダに出てきて手のひらを俺に向けた。
「やっても構わないが、お前いつから吸うようになったんだ?」
「私今までタバコは吸ったことないわ」
「なら吸わない方がいい」
「いいじゃない、作家なんだから経験は多いにこしたことはないわ。作家は体験したことしか書けないって言うでしょ? だから体験出来るときに体験しておきたいのよ」
「体験したことしか書けないのなら、なぜお前は異世界の情緒溢れる英雄譚をスラスラと描けていたんだ? 異世界から転生でもしたのか?」
「は? なに言ってんのあんた? 例え話に決まってるでしょ?」
なんだコイツ…。
怒りをグッと押し込んで、タバコを一本渡した。すると、しきりに火を付ける前のタバコの匂いを嗅いでいた。
「…、…、新品の畳みたいな匂いがするわ…。もっとクサいと思っていたのに意外だわ」
「火、付けてやるからタバコ咥えてみろ。気分が悪くなったらその灰皿に置けよ?」
彼女がタバコを咥えて、お決まりのサムズアップをしてみせた。準備完了の合図なのだが、俺は不安である。
カチッとライターの火を鎹に近づけた。
タバコになかなか火が移らない。
「火がつかないからストロー吸うみたいに吸ってみろ」
彼女が一息、吸おうとするも途中でむせてタバコから口を離した。
「エホッ…! エホッ……。なにこれ…クッサ……。…なんであんたこれ平気で吸えてるわけ?」
言わんこっちゃない。
「妥当な反応だな。最初はみんなむせるが、吸っているうちにむせない吸い方を覚えて平気なる。それにクサい。特に燃焼している先の煙はクサいし有害だ」
俺が腕を組んで講釈を垂れていると、肩をツンツンと突かれ、見れば、鎹がピースに挟まったタバコを無言で突きつけてきた。もういらないということらしい。
「勿体ないからあげる」
「そりゃどうも」
タバコは高い嗜好品という認識があるのか、火を消すのが面倒だからか、火の消し方が分からないのか、それはどうでもいいが、渡してきた彼女は珍しく戸惑っているように見えた。もしかすると、自分の予想の範疇を越えるものだったのかもしれない。
タバコを受け取ると、「口が落ち着かないから飲みに戻るわ」と言い残し、彼女は部屋に戻った。
さて……。ま、いいか。
俺もこれを吸ったら飲み直すとしよう。
俺達はあれからしばらく、酒を飲みながら談議を愉しんだ。ゆっくりと、しかし着実に酒を飲み進み、時間は進み、鎹の持ってきた酒が全て無くなったと彼女が知ると、彼女は大人しく帰ることにした。
見送りに二人でアパートを出ると、なぜか、俺が呼んだタクシーが時間通り到着していた。
彼女がタクシーに乗り、ドアが閉まる。ドアの窓を開けて彼女は顔を見せた。
「また来るわ」
「もう来るな」
「あんただって今日は愉しんでいたように見えたけど、気の所為かしらね?」
確かに否定は出来んが、面倒事とセットなのは御免被りたい。
「…いいからもう来るな!」
「イマドキ、ツンデレは流行らないわよ…?」
「安心しろ、ツン100%だ。おまえなんかにデレは1%もない」
「それってただウザいだけのキャラじゃない」
ウザいのはお前だ。帰れ!!
「もう遅いから早く行った方がいいんじゃないか?」
「そうね」
彼女はやっとタクシーの運転手に行き先を伝えた。伝え終えると、ハッとするように何かを思い出して、再び俺の方を向いた。
「そう言えば、大事なことを言い忘れていたわ」
「なんだ…?」
「この前、私の作品アニメ化されたでしょ?」
「ああ、あれだろ。異世界ものの」
「そう、それ。そのアニメで私初めてアフレコの現場に行ったの」
「ほー。すごいな」
「で、そこで主役の男性声優の人に食事に誘われたのよ。でも私、その人に興味無かったから断ったの。そしたらその人その後もしつこく誘ってきたのよ」
そりゃ、こんな美人ならそうなるだろうさ。迷惑な話だが贅沢な悩みだ。
「どうやったら諦めるか考えて、私あんたと付き合ってるから無理って伝えたら、それから来なくなったわ。と言うことで、私とあんた、付き合っていることになっているから、よろしくね!」
彼女ははつらつとニンマリ笑顔をする。
なるほどなー、俺とこいつは付き合っていることになっているのか……、て、
「ちょっ!!」
「出して下さい」
窓は無情にも閉まり、車は俺を置き去りにする。
「おいおい……」
彼女は最後にとんでもない爆弾を用意していた。
これが後に、いくつかの厄介事の火種になることをこのときの俺はまだ知らない。
青と春の顕性 ゆきの @yukitaka0424
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