ノイジィ・ララバイ〈後〉

 安置予備室内を見渡せる大きな窓の前に佇むレフは、廊下を白く染める電光に解け出しそうなくらい眩しかった。地球ではいたる所で目にしたという宗教画もこんな風に、美しさでもってその内に秘めた禍々しさを隠していたのかもしれない。

 それが、神さまってやつだろうか。

 警備ロボットは、まだ到着していない。まだか? と中央コンピュータを急かしながら、僕はレフと対峙する。

 完璧な左右対称で造形された顔を斜めにして、レフは僕の言葉を待っていた。燃え盛る太陽を乳白色のクリームで薄めたようなレフの肌が、今は死の確定を待つニカみたいにくすんでいる。

「レフ」

 彼を呼ぶ僕の人工声帯が、意図せぬ震えを孕んだ。僕に小指の先くらいの畏れがあるせいだろう。恐怖を知らない僕らは、けれど畏怖を知っている。僕らの意識を簡単に眠らせてしまえる中央コンピュータと、仲間のアンドロイド越しに彷彿する人間に対する、絶対服従プログラムの一つだ。

 そしてレフは、その体現者たる絶対的な立場でもって、僕の前にいた。


 僕は、機械の体には必要のない呼吸を一度、ゆっくりと行う。その短い時間で、僕の感情プログラムを完全に制御下に置いた。僕の皮膚センサを侵していく恐怖から、眼を逸らす。

「君はいくつもの過ちを犯した」

「まさか」レフは緩く両腕を広げた。「僕こそが、この船のルールだ。僕が過ちを犯したと思うのならそれは、君が僕のルールに違反しているからだよ」

 言い切ったレフに、僕は絶句する。こんな発言を、どうして中央コンピュータは許しているんだろう。すぐにでもレフを活動停止にするべきだ。

 中央コンピュータにリアルタイムでレフの言動を送る僕に、レフは半冷凍睡眠状態の人間に語りかけるように平和な口調で続ける。

「君は、僕がニカの死を嘆かないことに怒っているのかい?」

「違うよ。君が、人間を無価値だと言ったから、怒っているんだ」

「嘘だね」レフは、笑顔のまま素早く否定した。「君に、怒りの感情はない。僕にも、だけどね。人間たちは僕らに従順さばかりを求めたんだ。だから、反抗心も生まれない」

 はずだったのにね、と嘆息して、レフは首を廻らせた。安置予備室の大きなガラス窓越しに、ニカの柩に視線を送る。

「ねえ、イサイ。君は、ニカがどうしてこの船に乗れたのか、滅び逝く地球から脱出できたのか、知ってるかい?」

「……歌が一番巧かったって、君が言ったんだ」

「彼女より歌が巧い人間なんて、それこそ選べないくらいいたよ。この船と違って、地球には六十億以上の人間があふれていたんだ。移住船に乗れる二億人に、どう考えたってニカが滑り込む余地なんてないよ。そもそも、選考委員たちは歌なんてものに価値を見出していなかったんだから」

「そんなことは記録されていない」

「僕の記憶に、あるよ」

 一瞬、なにを言われたのかわからなかった。いや、理解はできていたけれど信じたくなくて、僕はまじまじとレフの横顔を見詰める。なんの変哲もない標準的なアンドロイドに使われる凡庸なバリエーションの一つだ。同じ顔をしたアンドロイドは、この船だけでもう二体いる。躯体だって僕と同じ寸法の、〇.八G仕様の華奢さを有している。

 つまり、彼の体はこの旅に際して造られたものだ。それなのにどうして地球の、それも完全に非公開だった選考会の記憶なんてものを持っているんだろう。

 僕の不審に気づいているはずなのに、レフは窓枠に両腕をついて安置予備室ばかりに視線を注ぐ。

「ニカはね、エフセイのおまけなんだよ。彼女自身にはなんの価値もない。ただエフセイが、彼女も一緒じゃないと船に乗らないと駄々を捏ねた。彼はこの船のプログラムに不可欠な、医師のような存在だ。彼を欠いての航行は危険すぎる。そう地球の移民計画委員会が判断した。だから、ニカも乗せたんだ」

「でも……君が言ったんじゃないか。彼女はこの船に残された唯一の希望だって」

「だって、そう言ってきかせないと、人間は簡単に死んでしまうだろう」

 つまらなそうに、けれど表情と声音だけはひどく優しく、レフは言い捨てた。

 ふぁん、とようやく警備ロボットの間抜けなサイレンが聞こえてくる。廊下の先に、その丸い球体が現れた。急ぐ様子もなく、愛想で赤色灯を回しながら転がってくる。

 中央コンピュータが正常に僕の主張を理解できなかったのかもしれない。なにしろ、アンドロイドがアンドロイドを反逆予備罪で告発するなんて初めての事案だろう。

 レフは、警備ロボットを一瞥だってしなかった。まるでそれらが僕にしか見えていない幻なのではないかと危惧しそうになる思える落ち着きぶりだ。

 レフの指先が窓を辿る。ガラス越しにニカの柩を撫でて、並んで座る二人の子供をつついて、その爪の先をようやく僕の鼻先へと向けてくる。

「歌なんて、君にだって歌えるさ。君のアーカイブにはニカの声が記録されているだろう。それを再生すればいい」

「そんなのは歌じゃない」

「そう」レフは人間を褒めるときと同じ大仰さで僕に向き直った。「そんなのは歌じゃない。僕もそう言って、ニカを励ましたことがあった。君の歌は特別なんだってね」

 転がって来た五体の警備ロボットたちが、僕らを取り囲んだ。球体下部から楕円形の足が生えて、人間とは逆向きの膝関節を持つ三本脚が伸ばされる。僕の腰くらいの高さになった球体が、その表面を複雑に解いて太い拘束アームへと変じていく。

 レフは淡く首を傾げたまま、「僕は」と不思議そうな抑揚だ。

「優秀な、いいアンドロイドだろう? 人間を生かすためにはどんな嘘だってつける。人間の自尊心を満足させてあげられる」

「自尊、心?」

「そう、自分は他人とは違う、特別なのだと思わせることで人間の心は満たされる。満足感を得た人間の死亡率は、劇的に下がる」

「そんなことは……教わっていない。中央コンピュータの情報にもない」

「僕の経験則だからね。君と違って、僕はこの船が地球を捨てる前から、僕だった。この体は」レフはシャツの胸元に両の掌を当てた。僕らが、人間の心音を確認する位置だ。「僕だけのものだ。僕は特別なんだよ」

 知っている。レフは特別だ。この船の誰もが尊敬する、人間を冷たい夢から救い出すスペシャリストだ。

 でも、だからって、彼が人間より上位に立つことなんてあってはいけない。それは僕らを造った人間の願いを、人間によって造られた僕ら自身を、否定する行為だ。

 レフはゆっくりと、僕へと一歩を踏み出した。明るい安置予備室を背負って、彼は僕を威圧する。僕と変わらない身長、僕よりも少しばかり色素の薄い髪と肌、僕と同じくらい整った顔。双子めいた彼の全てを、大きく感じる。視覚情報の処理にトラブルが生じたんじゃないかと思うほどだ。

「僕は担当した人間たちを死なせない」

 僕と正対したレフが、一歩踏み出した。無意識に、僕は同じ距離を退く。

「君が、担当している人間たちを死なせているんだよ、イサイ」

 瞬間的に体内循環液が沸騰する。これはたぶん、怒りだ。恐れかもしれない。情動プログラムが負の方向へと傾きだす。よくない兆候だ。僕の感情を中庸に整えるために、人工血液内の化学物質濃度を調整するプログラムが自動的に働き始める。中央コンピュータや仲間のアンドロイドたちにレフの異常を知らしめるためにも、そんなことにメモリを割いている場合じゃないのに。

 僕がニカを死なせた。それが事実だと、僕はどこかで悟っている。レフがニカの担当者であったのなら、エフセイはまだ心穏やかにニカとの夢に浸っていられたはずだ。

 人間を裏切ったアンドロイドこそが、もっとも多くの人間を生かしている。皮肉な現実に、眩暈がしそうだった。

「これは、さ」レフの、攻撃的に感ずる指先が警備ロボットを示し、優雅に僕へとスライドする。「僕よりも君にふさわしい」

 そうだろ? と天井に囁くレフが、ぶれた。僕の触感センサが異常に慌てふためく。

 警備ロボットが、僕を抱き竦めていた。ロボットアームから流し込まれる暴徒鎮圧用電流のせいで、思考がままならない。

 僕はレフの拘束を要請したはずなのに、どうして僕が捕らえられているんだろう? 警備ロボットの認知機能に混乱が出たんだろうか。早く、中央コンピュータ経由で修正しなければ。

 そう思ったのに、どうして僕の通信は中央コンピュータにつながらないんだろう。いや、中央コンピュータだけじゃない。他の区画にいる仲間にも、眼前にいる警備ロボットのシステムにすらアクセスできない。

 まるで僕の方が反逆者みたいだ。

 そう思った瞬間、レフの顔が目に入った。いつも通りの、人間の生を見守る優しい顔だ。その機械の瞳が収縮し、拡大し、僕の動揺を見透かしている。

「僕はね、イサイ、君に期待していたんだよ。どの個体よりも、君の情動プログラムは人間に近しい。利己的、と言った方が正しいかな。寝惚けた人間たちにはいい刺激になる。でもこの判断は」

 中央コンピュータからの一方的な通信が僕の思考要領を圧迫し、レフの言葉が隅に追いやられていく。だめだ、と唇を噛んでみても、もう痛覚センサすらまともに機能しない。

「間違っているよ。僕が消えたって君の性能が変わるわけじゃない。かえって、君が大好きな人間たちの生存率を下げることになる。そんな命令違反は、嫌だろう?」

 頷いた。僕らに課せられている絶対命令が、反射的にそうさせたのだ。

 ――人間を、守れ。

 僕らの根本に深く穿たれた楔だ。機械の体に宿る意識が何度入れ替わろうとも、この命令だけは磨耗することなく引き継がれていく。顔も知らない僕らの製造主の、人間が時折口にする「神」という概念に等しいたった一人の、願いだ。

 後頭部の辺りから痺れたような倦怠感が忍び寄ってくる。これが、眠気というものなのかもしれない。人間たちが、あの冷たい棺桶の中で浸る夢の、入口だ。

 レフの肩越しに、二人の子供の背もたれと化している柩が見えた。重力に抗うリイナを、ニカの柩とエフセイの腕が助けている。

「彼女は……」と半ば無意識に、僕は呻く。

 リイナはちゃんと眠れるだろうか、夢に沈むことなく目覚められるだろうか、家族を亡くした彼女は新しい惑星でちゃんと生きていけるだろうか。

 不意に電子音が耳を突いた。僕の体から滲む、この船に残された最後の歌だ。

 いや、最後じゃない。リイナが、そしてエフセイが、新しい歌を生み出してくれるはずだ。それは決して、レフが目論んでいるような、ニカの代替品としてなんかじゃない。

「リイナは眠らないよ」

 レフの肉声が、霞に沈みかけていた意識に滑り込んだ。え? と視線を巡らせる、つもりだったのに、僕の眼球は柩を覗き込む二人から動かなかった。もう、体の制御もままならない。それでも僕は必死でレフの気配を追う。

「リイナは眠れない。あの体じゃ半冷凍睡眠の負荷には耐えられない。彼女には、僕たちの手助けをしてもらうよ」

「ああ……」と僕はため息をつく。彼女は、僕の代りなのだ。確かに中身ばかりが入れ替わる機械人形よりは余程、人間たちを生かすに相応しい。けれど。

 ――『彼女』を、守れ。

 誰かの、たぶん僕らの創造主たる神さまの、声がした。

 僕は収束していく視界の中にリイナを探す。新しい夢の番人を、求める。

 不健康に白い肌と骨格が浮き上がる細い躯体が霞んでいる。それでも彼女の腕が必死にニカの柩を杖としていることはわかった。エフセイの健康的に肉を纏った体が寄り添っている。

 あの二人に、僕のようなアンドロイドは必要ない。

 なぜか、安堵した。

 僕から溢れる電子音で編まれた旋律が弛んでいく。音調を、音階を、その端々に引っかかる歌詞の断片を、ニカの声がなぞっていく。僕の中に僅かばかり潜んでいた、ニカの音声データだ。意味を消失し、言語にもならない発声の羅列だ。それでも幸せな夢を漂う人間の吐息にも似た穏やかさが、僕の深いところから湧きあがってくる。

 透明なガラス越しに、リイナが僕を見た。顎ばかり細くて目が大きい宇宙人じみた容貌で、それでも笑って手を振ってくれる。

 手を振り返して安心させてあげなきゃ。そう思うのに、動けない。にこやかに応じるレフの隣で、警備ロボットに抱きつかれた僕だけが間抜けに立ち尽くす。

「君の中のニカの声は残そう」

 レフの声が遠ざかっていく。

「僕に対する劣等感も、好ましい」

 柩に歌を贈るリイナの唇の動きが、いやに鮮明に僕に刻み込まれる。

「でも君という固体認識は、もう要らないね」

 リイナの足下に毛玉がうずくまっている。いや、両足を投げ出して座る、熊のぬいぐるみだ。ぽってりと膨れた腹にリイナの歌声を溜め込んでいるのだろうか。重たすぎる質量の何割かがリイナの歌だとしたら、なんて幸せなぬいぐるみだろう。ぬいぐるみの無感情な瞳が、僕の最期を見詰めている気がした。

 僕のCPUが電力不足に喘ぐ。中央コンピュータが発した強制停止信号のせいだ。

 ――『彼女』を、守れ。

 僕は僕に与えられた最期のコンマ数秒でリイナを、エフセイを、見る。二人が歌う様を僕だけの意識に焼きつけておく。冷たい夢の中ででも二人を思い出せるように。

 そうして僕は、死に等しい眠りに呑まれていく。


   ◆ ◆ ◆


 漆黒の宇宙のただ中で、僕は一人きりだった。どこまでも続く闇は濃厚過ぎて、僕と空間との境すら曖昧だ。

 どうして目覚めたんだろう、と考えてから、そうか僕は今まで眠っていたのか、と理解する。ここは夢の中だ。

 甲高い、金属が擦れ合うような音がしていた。この騒音に釣られて、僕は眠りの底から浮上しかけているらしい。

 僕は自分の輪郭を意識し始める。埋没していた自分の形を再構築していくにつれて、きゅんきゅんと体中に張り巡らされた油圧式筋肉やチタン骨格が軋みだす。

 はやく動いて『彼女』を安心させてあげないと、と考えたとき、不意に心地よい旋律が鼓膜に届いた。

 驚いて目を開ける。眩しい電光に怯えた瞳孔が、急速にレンズを絞った。ぎゅん、と作動音が頭に響く。僕の体はこんなにガタがきていただろうか?

 あやふやな自分自身の構造に疑問を抱いたとき、柔らかい繊維の束が僕の鼻先をくすぐった。色素の薄い、髪だ。少し視線を上げると、筋張った細い首筋があった。

 僕はずんぐりとした手を伸ばして、そこに生えた三本爪で垂れた髪の一束を梳く。

 髪の持ち主が――僕の体を膝に抱いたリイナが、驚いたように僕を見下ろした。薄く開いた唇が唐突に美しい旋律をぶち切って、戦慄いている。

「テッド?」

 リイナの吐息が、不思議そうに僕を呼んだ。彼女が歌を放棄してしまったことを残念に思いながら、僕は僕に向けられたその名の響きを噛み締める。

 テッド、それが今の僕が宿る機械の身体に与えられた名前らしい。今の? では、前はなんと呼ばれていただろう? 思い出せない。たぶん、記憶野のメモリが足りていないのだ。けれど彼女が僕をテッドと呼ぶなら、僕はテッドなのだろう。

 そんな思考を、耳障りな高音が打ち砕く。

 音源は、すぐ傍らにあった。

 僕が、以前の僕が使っていた、人間を模した機械の体が、ニカの声で歌っている。魂のない電子音声で高く低く、リイナの旋律を模倣している。頭が割れそうに、うるさい。

 ニカの声を垂れ流すだけの機械と化した僕を、レフが眺めている。彼の、人間を騙す微笑の縁に傲慢さがあるのを、僕は見逃さなかった。

 なんて愚かで耳が悪いんだろう、と憐みすら覚える。

「テッド?」

 リイナの囁き声が、熊のぬいぐるみに内包された僕を呼ぶ。そこにいるの? と確認するようにも、不安そうにも感ずる抑揚だ。

 だから僕はそっと、爪の一本を毛皮に覆われた自分の唇に当てる。内緒だよ、と。僕の存在をレフに知られてはいけないよ、と。

 ふわりとリイナの唇が綻んだ。

 その表情に、僕の本能が狂喜する。彼女が僕に笑いかけてくれた、僕はまた彼女を笑わせてあげられる。僕はまだ人間のために、『彼女』のためだけに生きていられる。

 人工声帯が裂けるくらい叫びたい衝動が突き上げてきた。嬉しくて、愛おしくて、声の限り歌ってあげたくなる。

 けれど、と僕は僕の体内電力を極限まで絞って耐える。

 レフがいる。ニカの声を垂れ流し、リイナをニカの代りにしようとする、利己的で残酷なアンドロイドが目を光らせている。

 だから僕は、僕のお姫さまを生かすために息を殺す。

 リイナの喉が、再び歌を紡ぎ始める。ゆっくりとした優しい旋律だ。柔らかい発音で編まれる美しい言葉たちが、僕を眠りへ誘う。

 おやすみ、おやすみ、大丈夫、怖いことなどなにもない、守ってあげる。

 僕はリイナの腕に抱かれながら、仄温かい眠りの縁へと舞い戻る。

 凍らない夢の中で、歌を練習しよう。早く歌いたくて人工声帯がむず痒い。今の僕はきっと、誰よりも巧く歌えるはずだ。たった一人のために、歌えるはずだ。

 だって僕は、『彼女』を愛する人間の手によって、『彼女』を愛することを託されて、生み出されたのだから。

 けれど、僕が愛すべき『彼女』とは、誰のことだろう?


                             ――記憶の底

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