croquis
秋乙女
濃く低い夏の空は去り、澄んだ青が峰よりはるかに高く広がっていた。
山中の藪のなかで、草に結ぶのとおなじ露を燃えたつ赤毛に飾って乙女は目をさます。身にまとうのは真っ白な衣だけ。
かたわらには
乙女が飛び乗ると、馬はかろやかに駆け出した。
その通り道に木の葉は色づき、山葡萄や
ふもとへと走る馬と乙女が村にさしかかるとき、ひとりの
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