第1話 入学式
「ん~もう朝か。めんどくせぇな。」
「おはようございます翔さん。今日は高校の入学式です。頑張って下さい!」
「ん、今日かよ入学式。明日から学校始まるのか。まあ頑張ってくるわ。」
可愛いらしい声をしたAIと適当な会話を済ませて俺はベッドから降りる。
あらかじめ用意しておいたパンを食べながら鞄に荷物をつめる。
「合格証書よし、筆記用具よし!あとは通信ゴーグルか。」
テキパキと俺は準備をして、鞄を背負う。
「まぁいってくるわ!」
「いってらっしゃい!」
そう言って少年は重い足取りで家を出た。
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「わぁ~莉奈久しぶり!」
「久しぶり!おんなじクラスだといいね!」
「おお!お前小学校以来だな!」
目的地につくと制服を着た新入生で溢れていた。
ここは国立特殊技術者養成学校。
特殊科学や魔術など、ここ最近急速に成長している技術を使える者を増やす目的で設立された。
かなりデカイ学校であるため生徒数は何千人もいる
しかもここにいるのは難関試験を突破した生徒ばかりである。
そんなエリート校に俺、新井翔は入学できたのである。
「もうそろそろ式が始まる時間だな。とりあえず体育館に行くか。」
友達のいない俺は一人で体育館へ向かった。
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「これより入学式を始めます。」
女性のアナウンスと共に式が始まった。
周りを見渡すと校門にいたときよりかなり人がいるな。
「校長から新入生への話。」
「どうも。校長の秋庭です。国立特殊技術者養成学校へようこそ。君たち新入生はこれから日本を支えていくであろう『科学』と『魔術』二つの技術の内どちらかを習得して貰うことになる。皆もわかっている通り、この二つは近年かなり注目されている........」
ここまではテンプレだな。
まぁ校長の話なんていつの時代も同じだろう。
とりあえずここで科学と魔術について説明しておこう。
魔術とは大気中に存在する魔素を使って物理的に不可能な動きを可能にしたり何もないところから新しく原子生み出したりする技術である。
100年前位に確立された技術であり、昔から戦争や医療に使われてきた。
古くから使われてきた魔術に対し科学は、ここ20年程でかなり発達した。
現在では10~20メートル程の人型ロボットや、ホログラムAI、戦闘支援コンピューターなどの技術も確立されている。
ここまで技術が発展しているのは、化石燃料にかわって使われている「エレクト」と呼ばれる鉱物が発見されたためである。
エレクトは無限に電気エネルギーを産み出すことができ、小さくても発電量が多いため様々な機械に搭載されている。
現在かなり科学技術が発展したため、魔術は古い技術というのが常識だ。
この学校でも魔術科の生徒だからといって差別されることがあるらしい。
「新入生代表の話。」
おっと、もう俺の楽しみにしていた新入生代表の話じゃないか。
今年の代表はかなり優秀らしいからな。
「新入生代表の工学科の工藤です........」
工藤といったらかなり有名な企業の御曹司でないか。
こんなやつと同じ学年なのか。
「今日、科学技術はかなり急速に発達しています。そんな時代に魔術なんかを学ぶなんて損をしているとは思いませんか?」
あたりがざわつき始めた。
確かにこんな一方的に魔術のことを悪く言うのはかなりおかしい。
ただ有名企業のぼっちゃんだから先生もあまり強く言えないのだろう。
「魔術は古くから使われてた技術ですがもう時代遅れです。まだ間にあいます魔術科の皆さん。科学系の学課に変更してください!
科学こそ社会に出たあとも活躍できる人間にしてくれます。もう一度自分の選択について考えて下さい。」
こんな演説ふざけている。
ただ魔術科の生徒にケンカ売っただけじゃねーか。
だがあいつは科学のことを過剰に信用しすぎている。
見てろ、魔術をバカにしたお前に一泡吹かせてやる..........
発展の科学と創造の魔術 マステマ @Mastema
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