消滅

「目を閉じるのが怖いんだ。」

あの子は言った。真っ暗の中に一人になる気がして、世界が自分を消そうとしている気がして怖いのだと。そんな筈ない、なんて言葉はきっと意味が無い。僕らは何処までも僕らでしかなくて、それでいて1秒後には僕らではなくなってしまう。だから、無責任な言葉で、君1人で消させやしない。


「じゃあさ、僕が隣にいてあげる。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幻日に浮くは花か骸か 村瀬 蓮 @Naki_311

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ