Episode7 追放
ピ――――
緊急事態が起きた時のようなアラームが鳴り響いた。
「はい、そこまで。今から怪しいと思った人に指をさしてもらう」
六人が顔を見合わせる。
ゲームマスターの「せーの」の合図で、一斉に指をさす。
比良津榎奈に3票。佐藤実由に2票。堕雌おとめに1票。
「比良津榎奈を追放します」
榎奈がえ~と怠けた声で言う。
「どうして私にしたの~?」
「この中で一番怪しくないからよ」と麗奈。
「テレビで本当に23歳ってことが証明されているからね」とさすが榎奈ファンの静香。
「つまり消去法でいくってこと。こんな人数で100万円を山分けしたくないしね」とおとめニート。
榎奈に指をさした3人の意見を聞いても、ふーんと棒読みに受け答える榎奈。
「まあ私犯人じゃないし、お金に困ってないから別にいいんだけどね」
金の問題じゃないと思う……とひそかに心の中で突っ込む陽子。
部屋の扉が自動的に開けられる。
このまま全員出ていくのもいいが、外からチラッと物騒なものが置いてあったのであきらめることにした。
榎奈は立ち上がり、「じゃ、がんばってね~」と言い残し、その扉から出て行った。
扉ががしゃんと閉まると、一瞬静かになった部屋で、おとめの「うぜえ」
という一言が妙にうるさく聞こえた。
老人ゲーム Erin @Little_Angel
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