丁寧な文章と、冒頭から結末を見ずにはいられないストーリー展開に、誰もが魅了されることでしょう。優しさと明るさ、そして切なさと儚さ。その音色はまるでヴァイオリンのように一瞬で変調して、詠み人の心を震わせる。光の世界で、一人の男性に手を引かれる少女。15cm企画のキービジュアルを、感動の名画に変えてしまう本作。是非ともお手に取っていただきたいと思います。
人との距離って難しい。近そうでも実は遠かったり、遠そうで実は近かったり。蜃気楼みたいだ。この物語も蜃気楼みたいにユラユラしていて、儚い。主人公が見た蜃気楼に、いつか辿り着けることを願って。読み手に何かを残してくれる物語です。