深海紳士録 ⑦熱水は人類の故郷?
深海の奇妙な仲間たちを紹介してきた今回のシリーズ。
前回は
熱水中の
彼等は
彼等はこの黒い部分に、
ゴエモンコシオリエビにも言えることですが、彼等の数は尋常ではありません。
エサを生み出す
彼等は少しでも細菌に
しかし、ここで一つ問題があります。
前回説明した通り、熱水の温度は数百度にも達します。
しかし現実問題、チムニーの周囲が
確かに、熱水は高温です。
しかし同時に、深海は冷たい海水で満たされています。
コップ一杯の熱湯を注いだところで、プールから湯気が上がることはありません。同様に深海に注がれた熱水は、周囲の海水によって
つまり適切な距離を保っている限り、ツノナシオハラエビが茹で上がることはありません。そして彼等は、周囲の水温を特殊な目で計測しています。
彼等の背中には、U字型の白い模様があります。
我々人間には見えませんが、熱水は微弱な光を発しています。
ゴエモンコシオリエビやツノナシオハラエビの他にも、
第3回目はこちら↓
(https://kakuyomu.jp/works/1177354054882713822/episodes/1177354054882959440)
深い海の底にある
地球に生命が誕生したのは、およそ40億年前のことです。
とは言え、どのように生命が現れたのかは、現在も解明されていません。近年、多くの研究者は、
当時、地球の大気は、主に二酸化炭素と水素で構成されていました。このことから最初の生命体は、これらを
実際、
以前紹介した
そしてまた
今でこそ、ゴエモンコシオリエビやハオリムシの存在は多くの方に知られています。しかしつい40年ほど前まで、彼等のような生物は専門家ですら想像していませんでした。
当時、エサの少ない深海には、ほとんど生物がいないと考えられていました。
しかし1977年、常識は
アメリカの探査艇が発見した
しかも彼等は、熱水中の
実のところ、
確かに宇宙は、生き物に優しい場所とは言えません。
現にエウロパは分厚い氷に覆われており、表面温度は氷点下160度以下です。エンケラドゥスもまた氷に覆われた惑星で、真っ白い姿は雪玉を思わせます。
しかし生易しい環境でないのは、地球の深海も同じです。
そこに命が溢れている以上、宇宙の
7回に渡ってお送りした今回のシリーズ、お楽しみ頂けたでしょうか。
科学が発達した昨今においても、深海は未知の領域です。
実際、最も深いとされるチャレンジャー
今後調査が進めば、更に奇想天外な光景が見付かるかも知れません。とは言え、あんまりずけずけ海底に踏み込むと、ノンマルトの怒りを買ってしまうかも。
参考資料:特別展「深海 ―挑戦の歩みと驚異の生きものたち―
公式図録
国立科学博物館 海洋研究開発機構
東京大学執筆
読売新聞社 NHK NHKプロモーション発行
深海魚 摩訶ふしぎ図鑑
北村雄一著 (株)保育社刊
深海生物の謎
彼らはいかにして闇の世界で生きることを決めたのか
北村雄一著 (株)ソフトバンククリエイティブ刊
深海、もうひとつの宇宙
しんかい6500が見た生命誕生の現場
北里洋著 (株)岩波書店刊
地球ドラマチック 「海のタイムトラベル ~生命の誕生~」
2015年7月16日放送 放送局:NHKEテレ
地球ドラマチック 「月と衛星 宇宙の神秘
~生命は存在するのか~」
2016年6月6日放送 放送局:NHKEテレ
JAMSTEC 海洋研究開発機構
http://www.jamstec.go.jp/j
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