第137話 雲の奥に
頭上を覆う灰色の
織り成す雲のその奥に
海の色にも似た青は
ただ密やかにゆらめいて
行く当てのない太陽と
穏やかなときは隠されて
いつ開くのか分からない
扉の先を待っている
ああこんなにも閉ざされた
重く分厚い壁の中
遠くに響く飛行機の
音が鼓膜に焼き付いて
自由に空を泳ぐ日へ
苦しいほどに手を伸ばし
いつか差し込む光へと
ただひたすらに祈っている
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