第71話 やまない雨

やまない雨に流された

昨日と散りゆく花びらと

水かさを増す灰色の

川が明日を追いかける


叩きつけてくる水滴に

奪われていく体温が

妙にさみしさ募らせて

この景色を目に焼き付ける


まばたきにつられるように

こぼれる涙ひとしずく

降る雨に紛らせながら

何もない風を装って


濡れて貼り付いた前髪を

そっと小指でかきあげれば

覗く無防備な素顔に

冷たい雨がふりかかる

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