小説や漫画の新時代に向けて
皆さんおはようございます、あさかんです。
カクヨム誰でも収益化に関連するエピソードを書いていて、変態仲間の人たち(変態の館という近況ページに住む住人のことであって、変態というわけではない、少なくとも私は)から頂いたコメントでまた色々と考えさせられる部分が増えてまいりました。
ということで、小説や漫画の新時代がどういったものになっていくのかというところを今回は考察していきたいと思います。
まず、旧時代とは漫画でいうところの雑誌連載→単行本化、小説では完全未発表の作品をコンテストに出し、受賞作が書籍化されたり、編集部に持ち込んだ新作を書籍化するといったビジネスモデルです。
それまではWEBというものが存在しなかった時代ですので、あくまでも売れるか売れないかは、漫画にしろ小説にしろ出版社編集部の意向ひとつで大きく舵が切られておりましたが、そこにWEBという大きな要素が加わったことにより一気にそのビジネスモデルに動きがみられるようになりました。
つまり、WEB上において作者が直接読者を得られる時代となったわけです。
まあ、出版社からしてもWEB上で既にファンがついている趣味作品を書籍化できますので、リスクが減ったといえばそうですが、その反面編集部が売り出したい思うような作品の傾向をコントロールしにくくなってしまい、ぶっちゃけて言えば嫌が応にも流行路線の作品ばかりしか世に出にくくなってしまった副作用を伴うようになりました。
それでもまだ現時点においては出版社の役割は大きいです。
流行路線ばかりとはいえ、WEB上で無料公開しているダイヤの原石のような作品を発掘し、書籍化への道のりにおいてその作品の完成度をあげるために、推敲を繰り返し、マッチするイラストレーターを見つけ、効果的な宣伝をし、メディアミックスなどでその原石を磨き上げるだけでなく一回りも二回りも大きくさせることが可能です。
しかし時代の進行が加速し『公式作品ではないWEB作品の有料化』が一般化する新時代へ突入するならば、現状のビジネスモデルは完全に衰退するでしょう。
実際、芸能界でも同じ状況が発生しつつあります。
今までは芸能人と言えば芸能事務所がスカウトするか、オーディションに受かるかのどちらかを経て芸能界入りを果たすのが通例でした。そのため、芸能活動は事務所の意向が強く、仕事の選定も自分で選ぶことが出来ず、自己表現も事務所の言いなりということも多々あったことでしょう。
しかし、今はyou●uberを見ても解りますように、自己プロデュースで事務所付きの芸能人と同等以上の人気と影響力を持つ有名人も続々と増えております。
これもネットならでは時代の進化と呼べるのですが、芸能事務所を介さない分、視聴者受けさえ良ければ、自己プロデュースという性質上、自分のやりたいことをやれ、自分の思うような活動が出来ます。そして、事務所が関わっていない分、収入の殆どを自分の懐に入れることが出来ます。
無論、経費の全ても自分で持たなければなりませんが、売れた先のことを考えると、収入のほぼ大半を事務所が持って行く芸能界と比べたら雲泥の差だと思います。
小説や漫画も然りです。ネット上において読者に読んで貰う→利益を上げるまでを自己完結できるならば、yo●tuberと同様に自分が書きたいものを書いて、その利益の殆どが収入とすることが可能なわけです。
そのような新時代へはまだ片足を突っ込んだだけですが、例えばameb●TVのようなネットTVが芸能人を使うより人気のあるyo●tuberを起用した方が、予算的にも視聴率的にも合理的と判断するようになれば、あっという間に現状の芸能界のシステムは崩壊してしまうと考えます。
そして小説や漫画も、現状の出版社やレーベルがプロデュースして売り出す形態から人気のあるネット小説や漫画をそのまま使用して流通させるという、ただの仲介的な事務形態が一般化されると、今の出版システムが崩壊すると言っても過言ではありません。
もちろん、デメリットもあります。例えば、ワン●ースやコナ●のように、出版社が持つ広告予算を惜しみなく使い、海外をも視野に入れ、一点集中の販売促進を行うことで国民な作品に仕立て上げることは困難になるかと存じます。
人気yo●tuberのヒ●キンやヒカ●がどんなに再生数を叩き出しても、認知度が向上しても、芸能界の国民的アイドルには敵わないのと同じなのです。
誰でも収益化により誰でもプロ作家になれる反面、今まででは考えられないほどの同業他者が増えるわけですので、それは戦国乱世の始まりであるのです。
読者全体の読書における総娯楽費は変わりませんので、出版社が総力を上げて神輿を担ぐようなことが無くなれば、圧倒的な強者がいなくなると共に、増えた有料作品の分だけ一作品における総読書量も減ってしまうでしょう。
そして、誰かが手綱を握って大きく舵を切るということも困難となるため、流行の行方などが完全に野放しにされますので、以前から申しておりますように読者が読みたいもの、作者が書きたいものだけが膨れ上がってしまうことかと存じます。
今回も色々と書かせていただきましたが、この時代の進化が創作物という観点において歴史を前進するか逆行するかは誰にも予見できはしないでしょう。
しかし、その流れが読者作者共において、今まで以上により良いものとなることを私は切に願っております。
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