カクヨム誰でも収益化による、既に目に見えている危険!とメリット


 みなさんこんばんは、あさかんです。


 前回に引き続きカクヨム誰でも収益化の話題をもっと掘り下げてみようかと思います。


 まず最初に現在検討中の読者から作者及び作品に直接お金を提供するシステムのことを毎回説明するのがめんどくさいのでとりあえず『おひねり』と呼びます。


 と、いうことでカクヨム収益化の2本柱『広告収入』と『おひねり』実装後のメリットとデメリットを考察していきたいと思います。


 広告収入化によるメリットは実際に誰でも収益が得られることによる作者のモチベーションの増加、そしてバイトをしている学生さんなどは広告収入により、バイトの日数を減らすことが出来、その時間を執筆に当てることができるようになったりするでしょう。


 人気作品をいくつか持てるようになれば、それこそバイトを辞めてしまってもそれ以上の収入を得られる状態になっている可能性もあるかもしれません。


 後は今まで書籍化の可能性が皆無だったスコップエッセイ(カクヨム小説の紹介エッセイ)や今私が書いているようなエッセイにも収益がつくことから、純粋な物語以外も盛り上がりをみせるようになるでしょう。


 自主企画も登録されている作品の数%が企画者に振り分けられるようになったりすると更に盛り上がっていくかと存じます。


 こういったメリットがある反面、収益率が作品を作る指標のひとつになってしまうと、どうしても『儲かる作品』ばかりしか書かれなくなる可能性も十分にあります。


 現在人気が高い=読者が多い異世界ファンタジー作品が一番PVが回るでしょうし、PVが回れば広告収入も増えます。普通に考えると一番儲かる異世界ファンタジーがより人気を博すという結果に成りかねません。


 そして広告収入比率のシステムが解析されて、例えば総PV数が一番影響するとかであれば、短い文章量でどんどん話数をだけを増やしていくというスタイルがメジャーになる可能性もありますし、総文字数が影響するとなれば、読み飛ばし推奨の補足文や、極端なことを言えば文章量水増しのためだけの読み飛ばしエピソードなどを作るといったような技法が確立されてもおかしくありません。


 後は純粋な物語よりも、PVがガンガン回る『あるあるネタ』や『一文ネタ』などが儲かり易いとなれば、それらがランキング上位を一気に占領したりと心配のタネは尽きることがないですね。


 結局は今まで直接お金と関係ないからこそみんなが書きたいものを書いていたのに、そこへお金という要素が絡んでしまうと一気にそちらの方向へベクトルが向いてしまう恐れがあるんですよね。



 『おひねり』に関しては、とてつもなく★の増減に影響してきそうです。


 その説明の前にしておかなければならないのが、暮れの祭典カクヨムコンが読者選考により★の数が足りなければ一次通過できないというシステムです。


 逆に言えば、一定数の★さえあれば実際にその作品が面白かろうがそうでなかろうが読者選考は突破できるのです。


 まあ、面白くない作品だったら読者選考を突破しても受賞なんてしないわけですから、無意味と言えば無意味なのですが、自分の作品なんて自分は面白いと思っているから書いているわけなんですから、とりあえず担当の編集者に読んで貰える最終選考までは是が非でも持って行きたいと大半の作者は願っているでしょう。


 その★の獲得に際して『おひねり』制度が確立されるとそれを逆用できてしまうわけなのです。


 悪く言うと★を『おひねり』で買うみたいな。


 いちいちそんなことしねえよって思われる方もいるかもしれませんが、結果的にそうなっちゃうんです。


 例えば2千円分のおひねり用のポイントを買って、20人の作者に100円ずつ適当にばら蒔いたとしましょう。


 大量におひねりを貰っている有名作者さんとかなら別としても、一度もおひねりなんて貰ったことのない作者さんであれば金額の大小あれど『○○さんから100ポイントあなたの作品に贈呈されました!』なんてなれば感無量だと思います。


 そんな○○さんが『コンテストに挑戦しております、みなさん応援してください!!』なんていう文をどこかで見ちゃったら、否が応にも応援してあげたくなりますよね。


 少なくとも私ならそうなってしまうと思います。


 『おひねり』をくれた人ってどんな人だろう?ってその人のページに行って、作品があればもちろん読むと思います。


 『おひねり』を頂いた時点で既に好感度MAXなわけですから、そんな人が書いた作品はどうしても面白いと感じてしまうでしょう。というか、無意識に面白い部分を探してしまうといった方が自然でしょうか。


 これが100円で★3つに見事変換された瞬間であります。


 現状のカクヨムコンでは異世界ファンタジージャンルでもなければ★60もあれば十分読者選考を通過できると思います。すなわち2千円分の『おひねり』ばら蒔きで達成可能なわけなのですね。


 現時点でも読者選考通過は『★の投げ合い』や『作家同士の馴れ合い』の影響度が高いと言われておりますので、全くそんなつもりがないとしても、作者の『おひねり』はそう意地悪に取られてしまう危険が大きいのです。


 

 過去のエピソードに『あなたの作品を読んだのだから私の作品もちゃんと読みなさい』の『ヨムヨメ』はマナー違反だと書かせていただいたことありますが、実際に私も★を貰った作者さんの作品を読まずにいたらすぐに★を消されたことがあります。


 実際にそういう人がいるということは結構有名ですから、『おひねり』制度をそういう使い方されるのも容易に想像できるでしょう。



 今回も色々書かせていただきましたが、趣味が基本のWEB小説に収益制度を取り入れるともなれば、とてつもなく大きいメリットがある反面、お金という要素が加わるからこそ今までバランスを保っていたものが一気に崩れていく可能性もあるということを念頭に置いて、より多くの方が満足できる仕組み作りになるよう心から願っております。

 

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