何故、女性向け恋愛ノベルでファンタジーものの需要が高いのか?


 皆さんこんにちは、あさかんです。


 第2回ビーズログ小説大賞とWebコン4恋愛部門という2つの大きな女性向け恋愛小説の募集の始まりが近くなってきましたが、そこをターゲットにしておられる作者さまの準備のほどは如何でしょうか?


 今回このタイトルでエッセイを書かせていただこうと思った理由は、近年女性向け恋愛ノベルでファンタジーものの需要がうなぎ上りに高くなってきているからです。


 ちなみに私の考える大きな理由のひとつとしてテンプレ化に限界が来ているというところだと思います。


 テンプレというと異世界ファンタジーなどを想像する方も多いと存じますが、恋愛漫画や小説のソレのテンプレは異世界ファンタジーなどでは比べようもないほど、同じ展開の作品が乱立しております。


 異世界ファンタジーであれば設定や世界観など弄れる要素が多々ありますが、女性向けの恋愛ともなると、現代社会の職種くらいしか差別化の要素が難しいですよね。学園ものともなるとより一層困難で、イケメンのモテ男と主人公の自立系(周囲に依存しない)地味女子と恋に落ちつつ、他のイケメンとも逆ハーを形成するテンプレは吐いて捨てるほど存在するでしょう。


 これは仕方がない部分もあるかもしれません。


 恋愛もの=恋愛要素が肝ですし、恋愛の肝=キュンキュンさせられるか否かです。そしてキュンキュンできるシチュエーションなんてもう出し尽くされているでしょうし、読者からしたら一度共感したシーンは別の作品にも同じものを求めてしまうので、結果的にテンプレ化してしまうわけです。


 このような女性向け恋愛物語は過去古くから樹立しており、それこそ近年急成長した異世界ファンタジーなんかには歴史的にも比べようもないのです。


 そういった点でもう読み飽きた!という読者が多いことは容易に想像できます。



 今までは需要もかなり高かったおかげか、供給もそれに追随するくらい多く、もはやその需要もピークに達したのか、供給過多になってしまい、バランスが崩れてしまっている状況にあると考えます。


 そこで読者、レーベル共に次に目を向けたのがファンタジーものなのです。


 実際にファンタジーものというのは如何様な付随する要素を飲み込むことができるくらい懐深いものがありますし、出し尽くしたつもりでもまだまだ未開拓な部分を持つ大きな畑です。


 現代、中世、未来、若者、成年、中年、時代も登場人物もなんでもござれですし、なにより現代社会の恋愛ものは付き合う若しくは結婚がゴールになってしまうことに対して、ファンタジーものは主となる物語の目的を他に設定することが出来る為、人気の高い作品を超長編作品として生き永らえさせられる強みがあります。


 単純に恋愛もので大人気を博したとして、一巻あたり30万部出せたとしても、10巻で完結せざる得なくなる物語より、一巻あたり15万部でも30~40巻だせるファンタジーものの方が商業的に安定することが想定できます。


 そしてなにより、ファンタジーというのは老若男女関係なく人気のある土台がありますので、女性向けでも敷居が低く、実際に私の周りでも恋愛ものに読み飽きた女性がファンタジーものに手を出してドップリハマってしまった人が幾人も存在します。


 

 現在の恋愛ファンタジーは需要に対して供給が少なく、比較的気軽に書けるジャンルではないからこそ書き上げられたら、完成度が他の水準より低くてもヒットする可能性を秘めていますので、皆さん是非チャレンジしてみませんか?

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