大賞と特別賞の違いを真面目に考察してみる
皆さんこんにちは、あさかんです。
カクヨムもサイトが出来て丸3年が経とうとしており、実施されたコンテストも山のように積みあがってまいりました。
今でこそWeb小説の作者もそれこそ山のように存在しますが、これほどコンテストが散乱すると募集先も分散されて、思うように応募作が集まらないこともあるでしょう。
特に長編ともなれば規定文字数に達したものを書くのに数ヶ月、遅筆な方なら1年以上掛かると存じますので幾つも掛け持ちでコンテストに応募することは困難だと思います。
そういった関係もあるのか、ここ最近は大賞が選出されなかったコンテストも目立つようになりました。
そこで今回は大賞と特別賞の違いについて考察してみたいと思います。
最近終了した「地元のイイ話コンテスト」などは大賞が選ばれなかったことで、編集部、作者、読者共にがっかりしたのではないでしょうか。
このコンテストは大賞賞金100万円というトップレベルの破格コンテストだったにも関わらず、応募総数70作品、最終選考突破5作品と、コンテストの中でも特に応募数が少なかったことが特徴です。
これは「地元のイイ話」という実話を元にした長編ノベルということで、かなり難しいコンテストだったということが要因の大きなところです。
結果的に言えば、元になる実話の本質的な部分においてそれが真実であれば、後はキャラクターや結末に至るまでのストーリーにフィクションを加えた物語として構成しても良かったのですが、『ノンフィクションじゃないといけない』と勘違いされて応募をスルーされた方も多かったと存じます。
結果発表の総評メッセージでも大賞を選出できなかったことに対する気不味さようなものも何となく感じとれました。
それでも賞金10万円の特別賞を2つ選出させた点の高感度は上々です。
70作品中2作品ですので、応募総数の1/35の確率と考えると受賞率はかなり高いでしょう。
私の私感ではありますが、応募総数70作品と少なく、既に最終選考作品を5作品にまで絞ったにも関わらず、結果発表が延期したのは限りなく大賞を選出させたかったゆえのことだと思います。
編集部としては大賞を選出したかったのに、選出させられなかった点は、その5作品の中に『商業的な本として出版できるか否か』が大いに関係していた作品があったのではないでしょうか。
事実を元にした小説ということですので、もちろんその事実自体に大いなる『関係各位』が存在しているわけでして、出版するにあたりその『関係各位』から許可が取れなければいくら100点の小説でも商業的価値は0点と言わざる得ません。
その辺の段取りに多く手間取ってしまったことは容易に想像できます。
次に、優秀賞を大賞に格上げできなかったという点について少し考えてみます。
捻くれた見方でいけば『賞金の100万円が惜しかった』ということも考えられますが、今回ここまで選考を引っ張った点や編集部や発行している雑誌の規模の大きさからみてもそれは無いと思います。
応募期間中の宣伝や、販促的なアプローチから見ても、むしろ大賞を選出させたかったということはヒシヒシと感じておりました。
ですので、優秀賞に据え置かなければいけなかった点は副賞の『書籍化確約』にあるでしょう。
大賞には書籍化確約がありますので、どういった理由にせよ書籍化が実施されなければ出版社としての沽券に関わります。
その点で大賞として選出する作品には応募作の時点でそれほど手を加えなくても確実に出版可能なレベルに達していて、出版できない要素(セルフレーディングやメイン読者層へのアプローチの有無)が問題視されていない必要があります。
それに対して特別賞は書籍化されるのが一般的でもそれを確約しているわけではありません。
受賞作にある程度手を加えれば書籍化できる(書籍化しても採算がとれる)レベルにあった場合でも、その受賞者に改稿する能力があるか、もしくは改稿する時間的余裕があるか、打ち合わせが可能かどうかは正直編集部の方も不安であるでしょうから、既にプロ作家で活躍しており、都内に住んでいていつでも打ち合わせができる状態でもなければ確約しない特別賞にしておいた方が安全と言えます。
すなわち単純に面白い=大賞というわけにはいかないのが現実というわけですね。
まあ、上記の考察も所詮私の私感ではありますが、全然無名の新人より、書籍化が関係しないお祭りコンテストなどであっても、名前が売れている作者の方が、知名度的に有利になる可能性もありますので、チャンスがあれば色々なコンテストに参加されることをオススメいたします。
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