自作品における作者と読者の感想の相違


 皆さんこんにちはあさかんです。


 そろそろ第3回Webコンも大人のZEROコンも取り掛からなければ間に合わない時期になってきましたね。


 さて、今回はタイトルにもありますように自分が書いた作品において自分と読者の方の読んだ時の感触が異なる点について考察していきたいと思います。


 まあ、これはザックリ言いますと、書いた自分は面白いと思っているのに読み手にそう思って貰えないということですね。大半の人は多少なりともこういった思いがあるのではないかなと思います。


 まず作者と読者の違いとは何でしょうか?


 一番大きな点をあげるとしたら、それは自作品の物語の理解度です。


 実はこの『物語の理解度』が作品の面白さを左右するかなりのポイントなんですよ。


 例えば未読の新しい作品より、以前に読んだ作品を読み直す時の方が熱中したりすることってありませんか?


 これは特に物語の初期ほど関わりが強くなるのですが、物語の歴史や背景、キャラの気持ちなどその前後関係を知っているのと知らないとでは、感情移入のしやすさも違いますし、読み手に世界観が定着しているか否かは読んでいるときのストレスにも影響があるでしょう。


 異世界テンプレなども同様ですね。既に読者に定着している設定を使うことで読み手に負荷を与えることなくすんなりと物語の世界に引き込むことが出来ます。


 登場人物の中に急に『エルフ』が出て来たとしても、異世界ものを読みなれた人にとってはその単語だけで脳内が勝手にイメージしてくれてすいすいと読むことが出来ます。それに対し自作品オリジナルの『グレル族』といったものが登場したら、読み手はまずその登場キャラをイメージする、理解するといったことに脳内キャパを割かなければなりません。例え文章に『グレル族はずんぐりムックリの体系で機敏さに欠けるが力には定評がある』と説明していても、それが読者に定着しているとは限りません。しかし、その都度説明していたらテンポが悪くなってしまいます。


 でも、作者にとっては違うんですよ。オリジナルの『グレル族』も『エルフ』も一緒なんです。既に脳内にイメージが完成していてそのキャラの前後関係も気持ちも行動理由も何もかも全てが頭の中に入っているのです。だからこそ自作品を初見の読者より面白く感じることができるんです。


 正直小説というのは初見の方に物事を伝えるのにかなり不利部分があります。漫画は絵と文字で解り易く動きなども表現でき、アニメやドラマなどの映像に至っては音と声で感情までもが比較的容易に伝えることが出来ます。それに対して小説は文字だけで勝負するしかないんですよね。


 特にネット小説は読者が最初に躓いてしまったら読むのを止めやすい特性がありますので、作者のファンや作品のファンでもない限り無条件に読み続けてもらうのは難しいのです。


 アレやコレやとオリジナルの設定を盛り込んだ出だしから敷居が高い作品は敬遠されがちですので、まだ読者が定着していないご新規の方はまずイメージしやすい設定と文章を心掛けてみてはいかがでしょうか。

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