日進剣道!!!

@nakayaman

第1話

「剣道」


鼻につくちょっとくさいにおい。

そして蒸し蒸しする武道場。

そこで剣聖は初めて剣道というものを見た。

広島県の三葉中学校の兄が通う道場、「明道舘」の道場でだ。

兄の優は特別強いわけではないが180センチの身長と手首の柔らかさを生かし強豪三葉中学の先鋒として活躍している。

剣聖はその兄に憧れ母に剣道がやりたいとせがみこの武道場にやってきたのだ。


「竹刀振ってみるか?」

まだ年長の剣聖とは比にならないくらい大きい熊のような道場の範士が打ち込みをまじまじと見ている剣聖に声をかけた。


「う、うん…」

いきなり声をかけられた剣聖は思わず頷いてしまった。

道場の範士、江藤の手ほどきを受け、竹刀を握った剣聖は小さな体で大きく竹刀を振った。


「お前筋がいいな。優とは大違いだなハハッ!」

江藤は稽古している兄をみながら笑った。

「初めて1年は竹刀を振るどころかすり足でさえままならなかったんだ。だがな、優は努力した。周りのみんなの何倍何十倍も練習した、練習を欠かさなかった。そして今のあいつがあるんだ。」

江藤の言葉に剣聖は改めて兄の偉大さを知った。


「ぼ、ぼくも強くなりたい!」

この時剣聖は兄を越えることを心に誓った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

日進剣道!!! @nakayaman

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ