一章 動き出す夢
導入(香月、ユナ)
キャラ紹介が終わりましたので、諸々の世界観をつかむための導入という名のシーンを始めます。
このシナリオの一章では、世界観を大いに弄っているため、普通の現代のシナリオとは違い、荒廃した世界観になっております。そのため、シンドロームの存在やオーヴァードと言った能力に関しての名称は存在しておらず、pc1、2のキャラは血癒人(きゅうけつき)と呼ばれています。
そして、この二人の関係は相棒関係となっていますので、それを踏まえた上でご覧下さい。
* * * * * * * * * *
あきし(GM):ではでは、ちゃっかり始めていきましょうか。
サバ缶(ユナ):はーい。
霊憚(香月):ういうい。
GM:さぁ、侵食値上げようか。
ユナ:31→35
香月:33→39
光も何も感じない部屋にあるベットの上で、俺は目が覚めた。上半身を起こすものの、動いてないせいか少し節々が痺れているように感じる。加えて、体調は悪くないのにも関わらず、どんよりと思考は重く働かない。
……あれから一ヶ月経った。フラウをこの手で殺した事は今となっても変わらない。何度も後悔した。俺は誘われるようにフラウのいる部屋の扉に視線を向けた。
やはり、どうしたって彼女が理由なしにあんなことをするとは思えないんだ……。
「どうして、あんな事に……。ダメだ、頭痛え…顔洗うか……。」
ゆっくりと身体を慣れさせるように動かし、自身から見て左手にある洗面台に向かい、顔を洗う。考えてはいけない事は分かっているのに、どうしたって彼女の事を思い出してしまうのだから、この能力に嫌気が差す。
俺はまた、ベットの上に腰を落ち着けた。
ユナ:そりゃ、恋人殺したらなぁ。
香月:精神1、写真記憶持ちだしな。
GM:ユナやん好きに入ってきてくれて構わんからね?
ユナ:はいよ、じゃあここでノックを鳴らそうかな。
「カナター私だ。起きているかー?」
「……起きてる。」
ノックの音が聞こえた。半ば身体を引きずるようにして、聞き慣れたその声に返答をしながら扉を開けてやれば、そこには声の主であるユナの姿があった。彼女は、口元にゆるく笑みを浮かべて、俺の表情を見てくる。
「おはよう。相変わらず顔色が悪いな。もしかしてまだ、引きずっているのか?」
「あぁ、寸分違わずな……。」
毎朝行われる問答。一ヶ月も続いていれば、その質問の真意は容易に受け取れるというものだ。言葉少ない彼女だが、心配してくれているのだと思うと、有り難さに加えて申し訳ない気持ちにもなってくる。
俺は、彼女が部屋の中央に据え置いている椅子に座るのを見ながら、ここ最近の定位置であるベットの上に戻った。
「んで、どうした?」
この問い掛けもまた、いつものもの。
「いいや、別にこれと言って用はないんだ。少しこっちの仕事に暇が出来たからカナタの様子が気になっただけだよ。」
「そうか……ありがとう。いつまでもこうしていても彼女が帰ってこないのは、分かってるんだがな……。いずれ仕事は再開するさ。」
「まぁ、急かしはしないよ。君が復帰してくれないと二人分の仕事を、私が一人で処理しないといけないだけで、貧血で私がぶっ倒れるぐらいの事しか起きないさ。」
「すまんな。もう一ヶ月寝て起きるだけの生活だし、二日三日したら始めるつもりだ。……あと、鉄分しっかり取れよ?」
「万全の状態で復帰してくれよ?カナタまでいなくなったら、私のプライベートが灰色になるからさ。」
やはり勝手知ったる彼女と話していると、あの事を少しの間でも忘れる事が出来る。俺は緩く笑みを浮かべて、断りも入れずに勝手にキッチンの方へ向かっていくユナの背中を見た。
GM:じゃあ、今回使用してるシステムをここで説明兼、使用していこうか。
ユナ:何だったっけ?
香月:それな
GM:FS判定だよ。一々情報決めてするよりもこっちの方が使い勝手が良かったから。「フラウとの思い出」をこの判定で思い出していく感じになります。
(表を取り出す)
香月:ほぅ
GM:この判定はメインが香月やん、支援判定できるのはユナやんになるよ。
香月:取り敢えず判定をすればいいのか……。
GM:うん
香月:2だった
ユナ:酷い出目だ。支援しても駄目じゃないか()
香月:すまない……。
GM:(笑)
「あぁ、わかっているさ。体調に関しては随分良くなってきたし、そろそろ頃合だろう。」
自身から見ても顔色が悪いのがよく分かるぐらいに酷かったんだよな、なんて一ヶ月前の自身の顔を思い出しながら、苦笑を返した。彼女もそれにつられたように苦笑する。
「そうみたいだね。少し安心したよ。あ、珈琲淹れたけど、飲む?」
そんな会話をしているうちに、彼女は棚から取り出した二つのマグに珈琲を注いだ後、近寄ってきて俺に一つ差し出してきた。
「貰う。」
そのマグを受け取りながら、俺はマグに口を付けて喉に流し込む。……そういや、今日は起きてから何も口にして無かったな。そんなことを他人事の様に思いながら、珈琲を飲み干し、また移動したユナの傍にある机に、殻になったマグを置いた。
「さて、取り敢えず散歩にでも行くか。気晴らしにはいいだろ。」
立ち上がったついでにそう呟けば、彼女はあ、と声をあげた。
「少し待って。その前にフラウを安置している部屋に行っていいかな?拝んでいきたいんだ。」
「あぁ、行ってこい。」
ユナ:人の家で勝手に珈琲淹れる相棒。
香月:それっぽい感じあるな。
GM:ん、じゃあ、フラウのいる部屋に入るって事でいいかな?
ユナ:入るべ。
香月:後ろからついて行くよ。
GM:じゃあ、がっつり描写入れるね。
奥に行けば行くほどに温度は一段と下がっていく。分かりやすい例えがあるとすれば、さながら冷凍庫の引き出しを開けた時の感覚、と言った方が分かりやすいかも知れない。
奥には、触ればか細い音を立てて割るであろう、繊細な薄い花弁が多く床に散っていた。大量の紅い薔薇の花だろう。その中に埋もれていたのは、血の気のない青白い肌をした女性の姿があった。
紅に対して、女性が着込んでいるのは、レースが幾度となく重ねられ、清楚で、それでいて儚さを感じさせる白いドレス。それはさながらウエディングドレスの様でもあった。
長い……立てば、腰まではあろうかという金色の髪は、緩やかにウェーブしており、すっと通った鼻筋に白い肌に映える赤い唇。閉じている瞼の下にはきっと綺麗な輝きがあるのだろう、そう思わせるぐらい、女性は優しげな笑みを浮かべている……が、その胸元には生々しく鎌が刺さっており、異様な光景を放っていた。
「相変わらず綺麗な顔だね……。」
「あぁ。」
寒い部屋。腹の奥から震えが来るが、それでも目を離すことが出来ない。また涙腺が緩みそうになり、俺は短く息を吐き出した。薄らと白い息がふわりと上がる。
「……それじゃあ、行こうか。カナタ、寒そうだしね。」
短い間ではあるが、手を合わせて拝んでいたユナがそう声を出し、何ともなさそうな表情をこちらに向けてくる。恐らく、彼女の能力で体温を上げているのだろう。
「……行こう。」
俺も軽く拝み、出ていく彼女のあとを追った。
香月:外に出る時は、壁抜けで出よう。扉はユナに預けて(無駄な事をしていくスタイル)。
ユナ:外出るし、カバンに入れておいた帽子を被り直して出よう。
GM:ふむふむ。じゃあ、部屋出る話出たし、加えて状況の設定について説明するね。
ユナ:ういうい
GM:貴方方は、今の居住区として、地下の住宅街に住んでます。理由としては、血癒人が一般人から、奇異の目に晒されるからかな。現状今いる部屋から出るとなると、居住区としての、廊下に出る事になります。
香月:じゃあ、鍵をユナから受け取って……今は廊下か。
GM:うん。で、そこから、街や教会に行くとなると……外に出て動くにしても、化け物が蔓延ってるし危ないので、地下道を歩いて移動出来ます。
(マップを取り出す)
香月:地下道使うとして、どっちに行こうか。
GM:んー、そうだね。安全なのは教会かな。大概の血癒人は、教会から外に出るのがセオリーかな。
ユナ:まぁ、散歩だから安全な方に行くよね。……ユナが帽子かぶってる理由が何となく出来たなこれ()
香月:じゃあ、教会へGO
GM:では、これで二人の導入は終わりですー。
ユナ:あ、香月にロイスを結ぶよ。表がポジティブで、P信頼、N不安で。
香月:ユナに、表P庇護、裏N不安。ついでに、フラウにもロイス結んでいい?
GM:おけおけ。
香月:じゃあ、表P純愛、裏N隔意……にしておくか。実際ほぼ同じの比率なんだろうけど。
GM:せやな。
香月:どっち表にするか本当に迷う。
ユナ:こっちは、フラウに表P庇護、裏N悔悟かな。マモレナカッタ……的な感じで。
GM:はーい。感情のままにするといいよ。
香月:やっぱり表は純愛だな。どうして変わってしまったんだ、より、殺した事の方に後悔と悲しみの比重を置かせたいし。
GM:うい、じゃあ、本当にこれで導入は終わりでw
香月:お疲れ
ユナ:お疲れ様
烏の夢 今志秋紫 @imashi09
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