こてこて なにわJKライフ

吉澄ノノ介

第1話 はじめまして 大阪!

 私、赤坂美月あかさかみつきは高校生になりました。

 生まれてからずっと東京で暮らしてたのですが、父の転勤を機に大阪に引っ越し、こっちの高校に進学することになったのです。

 マンガとかででてくる大阪の人ってすごい独特で、笑いとかにもきびしいイメージがあるけど私こっちのノリについていけるのかなぁ。

 おもしろいこととか言える自信なぁ…。

 でも気さくな人とかも多いイメージだし大丈夫だよね?

 不安もありますけど明日、大阪の高校に入学します。


 入学式の後のホームルームを終えたところで突然話しかけられました。

「なあ、赤坂さん。赤坂さんて東京から引っ越してきたんやんなぁ?」

 と言うのは佐野泉さのいずみさんです。

「うん、そうだよ。東京からついこの間引っ越してきたんだよ。」

「へぇ〜東京かぁええな〜、うちも行ってみたいなぁ。てゆーか標準語、なんかぞわぞわするなぁ。」

 佐野さんはそういって笑ってます。標準語、そんな変かな?こっちではこういうものなのかな?

「佐野さんはずっと大阪に住んでいるの?」

 会話を続けようと無難な話題を振ってみます。

「ん、うち?せやで、ず〜っと大阪住んでるよ。ていうか、呼び方固いよ〜。泉ってよんでくれてええで?」

 ふわぁ〜、すごい大阪の人、気さくっ!いきなりこんなフレンドリー!

「それじゃあ、泉…ちゃん。私のことも美月って呼んで。」

「み〜つ〜き〜ちゃ〜ん。」

 そう言ったのは泉ちゃんじゃありませんでした。

 ひょこっと現れて私を呼んだのは南千里みなみちりさんでした。

「なんや千里、いきなし割り込んできて。せっかくうちが美月の名前初めて呼ぼ思たら邪魔しよって。」

「ええや〜ん、別にそんくらいのこと。私も話し混ぜてーよー。あ、美月ちゃん、私のことも千里って呼んでくれてかまへんよ〜。」

「よ、よろしくね、千里ちゃん。」

 なぜでしょう、千里ちゃんものすごくひっついてきます。椅子に座っている私のふとももの上に両腕をぺたんと置いて顔をのせています。

 これはだめです、ふとももを触られてドキドキしちゃってます

「ちょ、千里、いきなりべたべたしーなや。」

 泉ちゃんがあきれ顔でたしなめてくれます。

「え〜、ええや〜ん。いずみんも触ってみいや、美月ちゃんのふともも気持ちええで。」

 ひゃぁぁぁぁぁぁあ、もしかして私セクハラされてます。これセクハラです?

「あほ。」

 泉ちゃんが千里ちゃんの頭をペシッと叩くと渋々離れてくれました。

 あぁ、千里ちゃん離れちゃいました。

「美月も嫌やったらシバいたりや、千里は誰にでもべたべたしよるからなぁ。」

「別にええやろ?減るもんやあらへんし。美月ちゃんもかへんやんな〜?」

 あぁ、ほんとはバッチコイなんですけど、そんなこと言っちゃうのもあれなので、

「う〜ん、ちょっとだけならね。」

 苦笑いで答えます。

「やったぁ、美月ちゃんありがと。」

 あら?

「ありがとうって言うんですね?」

「ん?美月それどういう意味?」

 そう聞くのは泉ちゃん。

「んと、大阪の人ってじゃなくてって言うんじゃないの?」

「あ〜、なるほどね。大阪ってそんなイメージあるんやな。」

「たしかに、マンガとかドラマとかだと言ってたりもするよねぇ。」

「えっ、えっ、本当は言わないんですか?」

「ん〜、言わんことはないんやけど若い人らは言わへんかなぁ?」

 えぇ、これって私の偏見だったの?

「おじいちゃんとかは言ったりするよね。」

 と千里ちゃん。

「そうなんだ。なんか間違った大阪の人イメージもっちゃってるかも。」

「なんやそれ〜。まぁ、うちらのこと見てホンマもんを勉強しぃ。」

 泉ちゃんがからかうようにいてきました。


「なあなあ、二人とも今日この後ひま?」

「いきなりなんや千里、どっか行くんか?」

「うん、ちょっと天王寺の方まで買い物行きたいからついてきてや。」

天王寺というのは大阪市の繁華街でキタやミナミに次いで栄えているそうで、あの日本で一番高い建物、あべのハルカスがある所だそうです。

「私は暇だから大丈夫だよ。でも、天王寺ってどんなとこなの?」

「アニ○イトがある!」

千里ちゃんが誇らしげに答えます。

「え?アニ○イト?」

「あほぉ、他にも色々あるやろ!なんで最初にでてくんのがアニ○イトやねん!」

泉ちゃんがツッコミを入れます。

あ、これ生ツッコミだ。うわぁ、初めて見るなぁ。

「え、なんで?いずみんもよく一緒に行くやん?ていうか、なんやかんやで毎回来てくれるやん。」

「いや、行く言うてもうちにとっては本屋みたいなもんやん。そんな千里みたいにアニメグッズ見たい訳ちゃうやん。」

「美月ちゃんはアニ○イト行ったりする?」

「う〜ん、私はたまにしか行ったりしないかなぁ。」

どうしよう、いきなり私の趣味を暴露しちゃっていいのでしょうか。アニ○イトよりメロ○の方によく行くとか言っちゃっていいのでしょうか。

「あら、意外やなぁ。美月もアニ○イトとか行ったりするんやなぁ。」

「う、うん。マイナーなマンガとか買いに行ったりかな。アハハ…。」

笑ってごまかします。

「どうせいずみんも暇やろ〜、とりあえず天王寺行こうや〜。」

千里ちゃんが甘えるように言います。

「わかったわかった、ええよどうせうちも暇ですよ〜。」

「さすが、いずみん!チョロい。」

「誰がチョロいやとぉ〜?」

泉ちゃんが千里ちゃんのほっぺをムギューと掴みます。口が3《こんな風に》になってます。

「二人とも仲がいいんだね。」

「せやねん、千里とは幼稚園からの付き合いやねん。」

幼なじみ!

「だからそんなに仲良しなんだね。」

「え〜、仲ええかぁ?」

「モゴモゴゴ」

何を言ってるのか分かりません。

「なんて、千里?」

泉ちゃんが手を離すと、

「仲ええやん、うちは〜いずみんのこと〜大好きやでぇ〜。」

後半ふざけたように言っていますけど、これはキタんじゃないでしょうか!

「あほぉ、好きとか恥ずかしいこと言うな!」

「好きじゃなくて、だ・い・す・き。」

千里ちゃんからかって言ってますがナイスです。泉ちゃん照れてお顔が真っ赤っかです。

「え、ええから行くんやったらはよ行くで!」

泉ちゃんが荷物を持って教室を出て行ってしまいました。

「あぁん、待ってぇやー。美月ちゃん、行こ。」

「うん!」

私と千里ちゃんも荷物をもって泉ちゃんを追いかけました。

目指すは天王寺です!っていうかどうやって天王寺まで行くのかなぁ?





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こてこて なにわJKライフ 吉澄ノノ介 @kusakichi0818

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