第8話耳朶

20100827(金)くもり


午前4時起床。緊張のあまり早く起きた。しっかりとお題目をあげる。

今この中国でどのくらいの人がお題目をあげているだろうか?


たぶん最後の戦いは中国広布だという気がしてくる。師匠は

去年の11月と今年の5月に2度にわたって、

「中国へ行きなさいよ!」と言われた。


1974年12月、周恩来は師匠に会われて何を語ったのだろうか?

死の直前無理を押して。


「あなたには必ずお会いしてお礼を言わなければなりません」

「どうかお体を大切に。日本へぜひお越しください。桜のころに」

「もう無理でしょう」


周は日本と中国ひいては世界の未来をあなたに託しますとの遺言だった。

以降日中間の青年交流が活発化する。現胡主席は第1回交流団の団長だった。

新駐日大使の程氏は第1回の留学生だ。


『中国へ行きなさい!』の師匠の叫び声が耳朶にこびりついて離れない。


無事上海に着いた。虹橋からメトロで金沙江へ。白蘭路の

楽途ユースは1泊60元から95元になっていた。万博のせいだ。


チェックインして一休み後蘭州拉面を食べにでるこれは5元で変わらず。

曹揚路のほうに行ってみたがきれいに整備されていて昔の雑踏はなかった。


駅は厳重に警備され上海万博が終わるまではこの調子だろうな。

そういえば昆明市ではいたるところに丸型の防犯カメラが設置されていた。


民族暴動は当局の最も恐れるところか。今中国南西部は四川の大地震、

湖南の大洪水。甘粛の水害と天災が相次いでいる。


救援のためにもインフラの整備が急がれる。

この10年で内陸部は大発展するだろう。


20100828(土)くもり


7時起床。100元返してもらって曹楊路から大連路へ、メトロ4元30分。

ローソンでサンドウィッチと牛乳を買って朝食。大名路へ向かう。

30分ほど歩いて国際フェリーターミナルに着いた。


するといつもとは違ってロビーにたくさんの人が並んでいる。

港費30元を払って並ぶ。夏休みだからか家族連れが多い。


いつも冬場は心配になるほど人が少ない。これなら安心だ。

洋室8人部屋。いつもは静かなのに二人がずっとしゃべっている。


これをやられるともう誰も休めない。相手はうなづくだけで

この男一人が大声でしゃべり続けている。何語だ?


ついに痺れを切らせて、

「こら、なにしゃべってんねん。そとでしゃべれ!」

「すんません。上海語です」


こういうノーマナーが中国人を嫌いにさせる。

無礼であつかましく品のない民族。13億。


確かにそういう人は多い。あきらめるしかないか?

やっと男たちは話をやめて立ち去った。


明日は上陸だ。またお金の心配が始まりそうだ。

非常に有意義な雲南の旅であった。


                         -完-

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雲南旅日記2010 きりもんじ @kirimonji

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