プランツファイター
宙野 実来
Prologue
ビューッと冷たい風が強く吹き、辺りには真っ白な雪が積もっていた。分厚い雲に覆われた薄暗い空には、太陽はなかった。
すっかり人気のなくなってしまった街は、まるで廃墟のようになっていた。信号はただずっと点滅を続け、車も全く通ることはなかった。
そんな中、一人の少女がたたずんでいた。少女の周りには壊れた銃やナイフが散らばっている。少女は空を見上げ、ポツリと言った。
「…光が…ない…。…寒い…」
そして、しゃがみこむと、涙を流した。
「これって…僕のせい、なの…?」
これは、ある年の8月の出来事である。
国際プランツ研究センター。植物と人間の結びつきを調べている機関である。そこでは、葉緑体を人体に取り込み、植物人間をつくろうとしていた。そして20X X年、光合成で作られたエネルギーを体力とする、人造人間を作ることに成功した。
その技術を盗もうとする人は多くいた。そのため、プランツ研究センターは、戦闘によって、なんとか技術の流出をふせいできた。作った人造人間も、圧倒的な強さで戦闘に参加してきたという。
しかし、その人造人間はある事件を起こし、プランツ研究センターは大きな問題を抱えることとなった。そして、センターはこれ以上問題が大きくなることを防ぐため、やむなく、人造人間を暗室に閉じ込めた。
それから4年後、センターは新たなプロジェクトを始めようとしていた。
プランツファイター 宙野 実来 @mikurun
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