第33話 備忘録(短編編・2017/10/17時点)

 昨日(2017/10/17)、短編募集の自主企画をたてて、総数三十九作品を一気読み……とまではできなかったが、十作品ほど残してひたすら読んだ。

 全て読ませていただきました。

 この場を借りて、私の企画に投稿して下さった皆様にお礼を申し上げます。

 一部途中でブラバした作品がありましたが、それは下の方に理由を書きました。




 以下は、誰かに読まれても良いように書きますが、

 あくまでも私一人の感想で、備忘録的な目的で書いてます。




 



 企画を立てたのは、他の方の短編を読みたいというだけでなく、他にも目的があった。


 自分で創作していると、他の作家さんの作品を読むときもどうしても作家目線で読んでしまう。「自分ならこう書くかな?」とか、「ここどうしてこんな語彙選んだんだろう?」などなどをつい考えてしまう。


 それはそれで勉強になるので良いのだが、創作活動していない読者よりも読もうとしてしまう。


 これじゃ一般読者に近づいた感覚で読めないと考えて、疲れるまで読めば、作家目線も薄れちょっとでも引っかかる箇所があれば読むのが辛くなるだろうと思った。


 んで、とにかく読ませていただいた。


 「第29話 気をつけよう(短編編)」 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883364462/episodes/1177354054884199385

 では、早い段階でどういう作品なのかが読者に伝わらないと、描写が上手じゃないなら最後まで読まない点を書いた。今回は別の何かが見つからないかに気をつけた。


 ・日常的にあまりみかけない漢字は、ルビをふることと、使用頻度を減らすこと。

 作品内容に拠っては、この語彙を使うのはやむを得ないなと感じるものはあった。作品の性格に関わるから納得もした。

 でも、一話完結ならまだしも、数話続く場合はやはりストレスになったのは間違いなかった。

 

 ・SFの場合、作品内独特のサイエンス系設定はシンプルにしないと辛い。

 この場合のシンプルというのは、簡単に判らない設定はダメということではない

 一つ程度なら良いのだが、二つ以上の性格を持つ(相反する性質のような片側を覚えていればもう一方は覚える必要のないものはかまわない)設定、数種類の作品特有設定は5000字程度でも、設定説明箇所へ戻って読む必要があって辛かった。

 理解すれば面白くても、判りにくい設定は辛かった。


 今回、読ませていただいた作品でしばしば引っかかったのはこの二点。


 あと、これは個人的な問題もあるので、強調することではないけれど気になったことがある。それを以下。



 自殺を扱った作品がメインテーマでもサブでも幾つかあったんだけど、扱いに注意しなきゃなと感じた。自殺を肯定的に扱った作品はないけれど、作品ごとに温度差があって、それは作家さんの感覚の差異だからいい。

 だけど、読者側にとってはどうなんだろうと感じた。


 自殺に関する箇所が気になったジャンルは現代ドラマに限定された。やはり、現代ドラマの性格上、身近な環境が作品設定だからなのだろう。

 このことも既に判っていたことだけれども改めて勉強になった。現代を扱うのだから、作品内に出てくるイベントが、読者にとって他人事ではないイベントである可能性を絶対に忘れちゃいけない。


 自殺という事件に近い人も居れば、遠い人も居る。

 親類と友人に自殺した者が居るので、私はかなり近い部類に入る。

 だから、私なりの強い自殺観がある。


 扱って欲しくないというのではない。


 ただ拒否感というか、強くないまでも嫌悪感を感じる描写はあったので、自殺を扱う描写やストーリーは、その場面に入る前に念入りに、その描写やストーリーの必要性を伝えて貰わないと、そこで読むのを止める読者はそれなりにいるんじゃないかとは思った。


 昨夜読んだ中では、自殺した描写したあと、その必然性をかなりの分量使って丁寧に説明した作品には共感と好感を持った。逆に、主人公と距離が近い人物なのに背景や動機を乱暴に扱ってると感じる作品は、申し訳ないがそこでブラバさせていただいた。あれなら「自殺した」以上のことは書かない方がいいと私には感じられた。

 その作品では乱暴に扱うことに意味があるのかもしれないから悪いとは言わない。善悪を言えるような立場でも無い。先を読めば違う感想を持つのかもしれない。

 だが、私はその先をとにかく読みたくなかった。


 これもWEB小説の性格だろう。

 無料だから、続きを読まないコストが低いのだ。


 「続きを読みたい欲求(結末を知りたい欲求) > ストレス」じゃなきゃいけない。

 

 ストレス、嫌悪感、何でもいいがネガティブな感情を読者に持たれたら、そこで読まれなくなると思っているべきなんだろう。


 曲がりなりにもWEB作家やっていて、自主企画建てて、極力最後まで作品を読もうと考えてる私ですら、先を読もうと思わなかった。昨日のようにひたすら読んで、読書体力が落ちていなければ読み続けられたかもしれない。

 でも、じゃあ今、読み直す気持ちがあるかと言えば無い。他にもたくさん作品があり、不快な感情を呼び起こされる可能性ある作品に手を出す必要がない。


 そういう作品は書くななどと傲慢なことを言うつもりはない。ただ、作家さんは(私も含めて)覚悟して表現すべきだろうと再確認したと言いたいだけ。


 なのだろう。

 そう思った。


 ちょっと話はずれるが、昨今、テンプレ作品が多く読まれているというのは、似たような原因なんじゃないかな。逆に言えば、読まれていない作品はそれらテンプレ作品よりもストレス与えている、もしくは与えそうだと思われている。


 「作品の読みやすさ+面白さ > ストレス」


 この図式の作品を、さほど提供していないからテンプレ作品が広く読まれてるんじゃないか。そんなことを考えた。


 じゃあ、どうしたらいいんだろうという点を今後は考えて、作品作りに活かせていきたいなぁ。

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