第34話 読者選考とあれこれ
今朝(2017/10/19)、読者選考について考えてたら、ま、いろいろ思ったことがあるのでそれを以下。
雑記にしては3000字と長いし、個人的に思いついたことダダ漏れしただけの内容なのでまとまってない。ということで、興味と暇がある方以外にはお勧めできません。
読者選考は、本来、エントリーされた作品を一通り読んだ読者が、作品を評価するのであれば好ましい方法だ。だが、実際にはそうではないし、それも当然だ。エントリーされる作品の数は数百になるのだから、全てを読んで判断して貰うことなど要求できない。一通り読む、その気持ちがあっても、読書に費やせる時間は限られているから事実上不可能だ。この時点で読者選考という手段には欠点があるって判るよね。
ジャンル、テーマで読者はまず読む作品を選ぶ。
だから、サイトに訪問する読者の好みで読者選考結果は左右される。
小説家になろうではテンプレファンタジーが人気だという。それは概ね間違っていないと、私も小説家になろうに置いてある転生チーレム系自作のアクセス数を見るたび思う。今、自分で読み返すと、読みづらいし、設定や描写にも甘いところが多々あるのに、そこそこ読者が居るのを見ても、テンプレ系には相当の読者が居るだろうと感じる。
カクヨムの読者傾向もランキングを見ると、小説家になろうと大きくは違わないだろう。異世界ファンタジー大人気。
また恋愛モノやラブコメも人気だ。これも私の作品紹介ブログのアクセス解析を見て感じる。このジャンルは、グーグルやyahooなどで検索して訪問する方が他のジャンルよりも目立つ。世間は愛に飢えている!!と言いたくなるですよ。
「NOVEL 0」の応募要項を見ると、あらかじめ生き残るジャンルを想定していると感じられる。( https://kakuyomu.jp/contests/novel0_contest_002 )
「異世界転生以外の作品であれば、時代・設定などは問いません!」と書いているけれど、読者選考が選考手段に入ってる時点で、残るジャンルは概ね限定されるだろうと想像できる。善し悪しはいろんな意見があるだろうけれど、それは読者が手に取りやすいジャンルにチャンスが多いから自然なことだ。
主催者側も、「異世界転生」に偏る現在の傾向は将来のリスクと考えてるのだろうし、「大人の」と書いているのは、現在の三十代以上の読者(購読者のボリュームゾーンらしい)のみならず、若い読者を年齢を重ねたあとの読者層として想定し、将来を見据えてのことだろう。だから結果的にファンタジーと恋愛・ラブコメに収束されるだろうことも想定していると思われる。
もちろん、ファンタジー、恋愛、ラブコメ以外のジャンルから、主催者側の予想を上回る期待作が出てくる可能性も排除していない。賢いなと感じた。
まとめると、「NOVEL 0」の応募要項には、現在のボリュームゾーンだけをターゲットにした作品を求めるのではなく、先を見据えて、供給側を今から育てたいという意思を感じる。「NOVEL 0」での読者選考は、現在でも売れそうな「非テンプレの人気ジャンル作品」を見つける役目を担ってる。
第三回WEBコンは、ジャンル別に分けてるから各ジャンルにチャンスはあるだろう。だが、こちらは「NOVEL 0」のような将来よりも現在に重点が置かれている。最終選考に残る作品は、「NOVEL 0」のような編集者ピックアップが無く、読者選考のみ。最終選考は読者選考上位から選ぶとされているから、現在の読者の嗜好を優先した選考。つまり各ジャンルごとに「今、売れそうな作品」を求めている。
ここまでざっくりとだが整理して書いたので、読者選考にはマーケティングリサーチの役目を果たして欲しいと主催者側は考えていると、改めて意識していただいただろうと思う……いや、思ってね? ううん、私は思ったんですよ。
さて、では、読者選考はマーケティングリサーチの役目を果たすのだろうか?
この点が問題になる。
果たしている面もあれば果たしていない面もあり、明確にどちらかに意見をまとめることは無理だろう。その理由は、「無意識で善意の評価」がカクヨムという投稿サイトの性格上必ず生じるからだ。交友関係の無い作家の作品と、交友関係ある作家の作品とでは、自ずから先入観が違うのは人として自然だから。
カクヨムという投稿サイトで、コンテストに応募された作品を一通り読んで貰うのは難しい。応募される作品数が多いだろうし、紹介文の良し悪しで読まれる作品が選ばれることもあるし、★の数やレビュー内容に左右される面もある。
作品数の問題は置いておいて、読者獲得に偏りを生むのは紹介文と★やレビューだろう。いや、応募作品数が多いから、こここそが読者選考においての焦点になる。
紹介文が良いのは無問題として、★とレビューには「無意識で善意の評価」が色濃く反映される。そもそも交友関係の無い作家さんの作品と、交友関係ある作家さんの作品とでは、実際に読んで貰えるかという時点で差が出る。これも自然なことだ。
作家自身のマーケティング能力が反映されるので、カクヨム内での交友関係と宣伝能力が重要ということになる。
作品の質ではなく、別の側面で高評価される作品が、読者選考が選考手段に入ったコンテストでは選ばれやすいと言われるのはこのためだ。
宣伝が苦手、作家さん同士の繋がりを作るのも苦手……な作家さんが「作品内容で評価して欲しい。その結果落選するなら諦めるけれど……」と口にしないまでも思ってしまうのは理解できる。悩んで苦しんで創作した作品が、作品そのもの以外で評価されるのは嫌だと思う気持ちは判る。
しかしこれは、読者選考という手段を有益と判断した上で、出版するためのコストをかけて主催者側が選択しているのだから、要は、応募先を間違えていると私は考える。ネットのコンテストではなく、公募に出すべきだろう。
主催者側は、コストをかけて出版しても売れないかもしれないというリスクを負っている。そのリスクは作家側も理解しなければならないだろう。主催者側だって、食べていかなきゃならない。出版不況と言われる中、社員には家族も居るんだから、売れそうな作品を求めるのは当然だ。
投稿サイトでは、読者選考はマーケティングリサーチの手段として不十分だ。主催者側が期待するほどうまくは機能していないだろう。何故なら、作品ではなく、作家の性格とマーケティング能力に大きく左右されるからだ。読者選考で生き残った作品が、市場で売れるとは限らない。だけど読者選考抜きにして、主催者側が読んで選んだ作品ならば確実に売れるとも限らない。主催者側もいろいろと悩んでいることだろう。
読者選考で生じる問題は主催者側も判っているだろう。しかし、もっと優れた他の手段が見つからないので読者選考を利用している。
読者選考というハードルを越えた作品が、最終選考で作品自体を評価される。これは、出版側が社内政治を行う際に、決定権を持つ側へGOを出させる説得力を持たせるために必要なツールなのかもしれないとも思う。
だから読者選考のハードルを越えられなかった作家さんは……いや、私は「うまく書籍化までこぎ着けられるといいですね」と、カクヨム内で埋もれた作品の陰からそっと祈ります。(応募する前から読者選考越えられるなんて思ってない私。だって宣伝苦手だもん)
読者選考のハードルを越えるために、作家側は、個人の性格やマーケティング能力を求められる。もしくは、作家さんに代ってマーケティングしてくれるシステムを求めるしかないのだろう。ただ、作家個々人で要求に応えられない場合、マーケティングしてくれるシステムを求めるならば、何らかのコストは生じるだろう。
お金、もしくは労力。
投稿サイトが増え、投稿サイトを利用する作家さんのうちコンテストを利用して書籍化を望む方が増えたからには、今後はそういったことも考える必要があるのだろうと、読者選考のあれこれを考えて思ったです。
まとまらない内容だけど雑記だしなぁ、まぁいいかと、自分にいつも優しい湯煙でした。
m(__)m
つか、ノベゼロとWEBコン作品にはよ手を付けろよと自分にツッコミいれております。(だって、うまくまとまらなくて苦しいんだもん)
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