ラストエピローグ

 探すのに苦労した。


 彼女は屋敷を追い出されたようで、馬小屋で生活をしていた。


「ひもじい……。はぁ……草はいいですね。水さえあれば生きていけるんですから。……しかし、この馬小屋の周りにはいつも向日葵が咲いてますね。種を食べても食べても新しい向日葵が……。ま、まさか、この向日葵は、ゆんゆんの生まれ変わり!? ゆんゆん……いつもありがとうございます。では、いただきます」


「ちょっと待って! それは私じゃないわよ!?」


「え?」


 しまった。


 ついツッコんでしまった……。


 本当は感動的な対面をする予定だったのに……。



 今の私は14歳。

 本当はもう少し早くめぐみんと会えたのだが、やっぱりめぐみんと会うならこの姿で会いたかった。



「ゆ、ゆんゆんなのですか? お腹が減りすぎて幻覚を……? い、いえ、そんな……でも……。ま、まさか本当に転生を?」


 私は、こちらを驚きの表情で見ているめぐみんに、マントをバサッとひるがえし----!!


「--我が名はゆんゆん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者。そして、ぼっちリッチーの親友となる者……!」




 決まった……。と私が感動していると。


「……ぷっ、あははははははは」


「めぐみん! なんで笑うの!? わざわざ会いに来たのに!」


「ゆ、ゆんゆんが、顔真っ赤で……あははははは」


「わ、笑うことないじゃない! せっかく……やっと会えたのに! ってめぐみんが涙!? 泣くほど可笑しかったの!?」


「いえ、これはゆんゆんに会えたのが嬉しくて」


「えっ!?」


 え? え? めぐみんがデレた!? あのめぐみんがデレた!?


 私が困惑していると、めぐみんは懐かしそうな……穏やかな表情になり。



「おかえりなさい。親友。約束を守ってくれてありがとうございます」


「ただいま。親友。これからもよろしくね」


 私達はお互いに祝福をした----!












「では、さっそくご飯を奢ってください」




「せっかく感動の再会を果たした親友と最初にする事がそれなの!?」






       終わり

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めぐみん「行ってらっしゃい、ゆんゆん」ゆんゆん「またね、めぐみん」 ユウ @jakutara

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