1.夏祭のお茶会、ふう
その声が、合図
ぷか、ぷかり
小さな泡が浮かんだと思ったら、
私を軸にして、
波が、空気が大きな渦を描く
それは、大きな、とても大きな渦だったのに、
ゆっくりゆっくり、小さな渦になり、
私の元へ近づいてくる
(え、)
そう思うも、ぐらり
身体のバランスが利かなくなって、倒れ込む
瞬間、暗転。鋭い浮遊感。
水圧、重圧、水を切る痛み。
視界は真っ暗。耳からは水圧特有の痛み。
きっと、渦が竜巻になって、
それが身体を押し上げられている、
直観的に感じた。
その感覚は、長く、長く続いた。
身体が押し上げられている感覚が延々と、
そして、やっと――息を吸える感覚
水音。感じる空気。聞こえる音。
弾じける水音、消える重さ。
空気の肌寒さ、風の鋭さ、
きっと、水平線を越えた。
けれど、この不安定な床の感触は消えずに
竜巻は、まだ私を空へと運んでいく
急なことで、呼吸を整えた。
可笑しなことで頭がこんがらがって、
反対に、少し冷静。
「どこまで、行くの?」
「どうしようか、
そこまで考えてなかったからね」
「なら、何故、」
瞬間のお茶会、君となら 砂の さと葉 @sano3sano3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。瞬間のお茶会、君とならの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます