筆者の彼女や上司などの面白発言を集めた作品集である。
いちいちの出来事が些細すぎて逆に愛おしい。もちろん、わざわざ作品としてネタにするだけのことはあって、いわゆる「あるある」ネタとは一線を画した珍妙さだ。
一本10秒で読めるのでとりあえず見てみてほしい。
何らかの意味で笑えるやりとりに出会えること請け負いと言えるだろう。
私は14話あたりが好きだ。ところで表題は映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のテーマソングからの引用だと思われるが、これは普通の英語だと考えると意味が取りにくい。
TIME(とき)とはファースト・ガンダムに登場したララァ・スン最期の言葉「ときが見える」に由来しており、それは彼女の死の間際に見えた世界認識そのものであって、それを超えるというニュアンスが劇場版のテーマとして込められたものと思われる。
その言葉がここに引用されているのは、些細な一幕の尊さを意識してのことなのだろう。違うかもしれないが、私はそう思った。
ほっこりする楽しいやりとりも、こうして記録されなければ、いずれ当事者たちとともに忘却されてしまうフラジャイルなものなのだ。
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=村上裕一)