第32話 朝起きると...
「お前ら。こんなに暗器を仕込んで俺たちを殺しに来たんだ。覚悟はしてるよな?」
そう拘束された全身黒づくめの男達を見て言った。
~数時間前~
時刻は七の鐘がなってから暫く経った頃、外は暗く、皆が寝静まった夜、俺は1人屋敷の屋根の上に立ち準備をしていた。
「さて、モミジ達も寝た事だし、予防線を張りましょうか。」
昼、王城にて俺たちの叙勲式の時突っかかって来た貴族がいた。テンプレ的に行くと、これから襲撃を受ける事だろう。快眠を妨げられるのも腹が立つし、ねんを押して結界を張っておくことにした。
そしておもむろに手を上に突き出し、
「〔結界魔法〈
と魔法を発動させた。すると、手から黄色と黒色の光が飛び出し、30m上空まで伸びたと思うと、そこから球を描くように屋敷を薄く覆った。この結界魔法は〔無魔法〕をLV7まで上げた時に派生したスキルだ。
LV1 魔力障壁 相手の攻撃を弾くことができる。ただし、MP+魔防の合計値が相手の魔攻または物攻が上回っている時は破壊される。消費MP毎秒10
LV2 麻痺障壁 結界に触れた相手は麻痺し、術者が解除またはMPが切れるまで効果は続く。消費MP毎秒50
LV3 毒障壁 結界に触れた相手は毒状態になる。なお、結界に一度触れた相手は術者を倒そうが、解毒しない限り毒状態が続く。毒の強さは消費MPを増やすことで変える事ができる。消費MP毎秒100
LV4 拘束障壁 結界に触れた相手は拘束される。ただし、相手の筋力が自身のMP+魔攻を上回っている時、拘束状態は解除される。消費MP毎秒300
LV5 複合障壁 LV1からLV4までの効果の結界を2種類まで混ぜることができる。消費MP毎秒合計値+50
と、このようになっている。普通の人であればほとんど時間は持たないが、俺の場合無尽蔵にMPがあるためそんな心配は必要ない。それに毎時間144万もMPを消費するが、〔MP超回復LV7〕の影響で毎秒140MP回復する為、毎時間50万4千回復するので、実質毎時間94万程度消費するだけで抑えられる。常人は卒倒するだろうが、俺からしてみるとほんの少しだ。さらに、維持するには集中力も必要なのだが、〔叡智〕に任せてあるため俺自身は集中しなくてもいい。
てな訳で発動させ、眠ったわけだ。
そして冒頭に戻り、
「さあ、お前たちの雇い主を吐いてもらおうか。そうすれば情状酌量の余地があるとしてお前らの刑罰を緩めてやろう。別にだんまりでもいいが、その時は......どうしてやろうか...。」
最後に言った言葉に少し覇気を乗せ黒づくめの男達を見た。
「「「「(ガタガタガタガタ)」」」」
「まぁこの後王城に行く予定があるからな。まずは騎士団のところに連れて行く。そこで洗いざらい吐いてもらう。後から俺も行くが、嘘をついていれば一瞬でわかる。悪あがきはやめておけよ?」
そして拘束が解けてしまう前に、魔境で手に入れた丈夫な蔦で縛ったあと、俺たちは着替えを済まし、モミジとシャーロッテの着替えの間に作ったモノを持って王城へと向かった。シャーロッテの事は昨日のうちに王様に伝えてあるので、一緒に行くことになった。
「やっぱりすごいわね。毎時間94万?何ソレ。そんだけ使っても少しとかズルすぎるでしょ。」
「さすがツネナリ様ですね‼︎一生ついて行きます!!」
モミジは呆れ顔、シャーロッテは目をキラキラさせて俺を見てきた。
ーーーーーーーーーー
王城近辺・騎士団場所
「了解いたしました。この者たちに尋問し雇用主を吐かせます。」
そして、騎士団員が襲撃者を連れて行こうと引っ張ったところを止め、蔦で作られ真ん中に魔石をつけられたネックレスを取り出した。
「これを使って下さい。わざわざ尋問する必要もなくなりますよ。」
「どういう事です?」
「こういう事です。」
物 自白のネックレス
レア度
耐久度1000000/1000000
説明 魔境で生えた丈夫な蔦に魔境で取れる魔結石を取り付け、魔結石に【自白】のエンチャントを施した物。魔境産の蔦と魔結石を使っただけでも
「えええええぇぇぇぇぇ!!!!」
「あ、コレ騎士団に差し上げますので、今後に生かして下さい。」
「さすがにこんなモノいただけませんよ!!とりあえず騎士団長に報告しておきます!!」
「分かったよ。」
そして、俺たちは騎士団場所を後にし、王城へと向かった。
3Rの転移者〜もったいないスキルは強すぎました〜 カイン @tukehigedannsyaku
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