地球と月の終戦協定が、締結を望まぬ勢力のテロで打ち砕かれた。
再びの戦火。高卒新兵の巧たちは、戦争を終わらせるために戦う!
この文字数で、見せ場盛り沢山で、
綺麗にスパッと終わっているのが凄いと思うのです。
開戦から書き始めたらとんでもない字数になりかねないですが、
「ほぼ終わりかけていたのに最後に再燃」
という時点を話の開始に持ってきたことで、
過去の戦闘で活躍した操縦士たちや、
長い歴史の中で開発されてきた機体の変遷なども描きつつ、
ちゃんと戦争を終わらせることができる。
手に汗握る勢いでうおぉーっと読み終えて、
最後の登場人物解説(読了後用)を読んだら、
こんなのニヤニヤしながら星3つ押すしかないじゃないですか!
ロボット物は読むのはあまり得意じゃないんですけれど、
(アニメは見てた。ガンダムはファースト~00なら何とかわかる)
めちゃくちゃ楽しかったです!
高橋頑張れ高橋。
月から降る七機の超兵器。戦いは少年たちを戦火へと誘い、青春を鉄機に封じ込めて戦わせる……。
超兵器相手に量産機と卓越したテクニック、そして頭脳で戦う戦記です。
なんといっても、リアルロボ系に必須な政治面を主人公の兄で固めているのが良い。
後に英雄とされるとはいえ、あくまで一兵卒として戦う弟。弾丸こそ飛び交わないが、言葉で人を殺せる政治で戦う兄。
その立場の違いが家族というつながりで浮き彫りになります。
そして、ドラマは敵である月側でも蠢き、ルナティック・ハイという物語を紡いでいくのです。
果たして、地球と月の戦争の行方がどう移りゆくのか……見届けるのはあなたです!
追記。設定資料が後の世からの視点なのも面白いですね。全編読み終えた後に読むと、ニヤリとします。