苦しくて苦しくて苦しんだ先の結末


幾重もの悲劇のミルフィーユ、もう勘弁してくれと心がパンクしそうに畳み掛けられる終盤。そこまでいくのに集めたピースがあるからそこだけ見ても全部見えるというマジックのような手法でしょうか、凝縮がヤバい、アタシもう圧死しちゃう。最後釘付けですよ。

誰のいつの話かを頭のなかで整理していかないと初見では難しいかもしれない。けれど難しい作品はその先に必ず意味があると思う。どういうことだ、と必死に考えここまで来たのだ、彼らの苦悩もいくらか分かち合える権利があっていいのではないか。容易くない。困難であり絶望的なまでに過酷だが、そこには挫折ではなく意志がひしめいている。悲劇で終わってたまるかよ、という熱い意志が。ほしい言葉をもらうまでにたくさん頑張ってきたのだから、ささやかな幸せを永遠にあげたい物語です。

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